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徹底解説ほつまつたえ講座 改訂版第125回 [2024.2.27]

第二三巻 衣定め 剣名の文 (8)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 みはさだめつるぎなのあや (その8)
 衣定め 剣名の文 https://gejirin.com/hotuma23.html
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 またみことのり むへなるや くしひこなんち みまこより
 をこぬしかみの たまふなも またたらすわれ ふたかみの
 たまふさかほこ さいわひに そのきおゑれは ゆつるなり

―――――――――――――――――――――――――――――
 また御言宣 「むべなるや クシヒコ 汝 御孫より
 ヲコヌシ尊の 賜ふ名も まだ足らず 我 二尊の
 賜ふ逆矛 幸ひに その気を得れば 譲るなり」

―――――――――――――――――――――――――――――

むべ (宜)

御孫 (みまご)

ヲコヌシ尊 (をこぬしかみ:大地主尊・大国主尊)

 時に君 ヲコヌシ尊と 名を賜ふ 柱名もこれ 〈ホ21ー4〉


■二尊の賜ふ逆矛 (ふたかみのたまふさかほこ)
サカホコ(逆矛)は アマノサカホコ(和の逆矛)の略です。
二尊が和つ日月を受け継いだ時、皇位継承の証の品として
先代より “経と矛” を賜りますが、その “矛” だと考えられます。

 二尊に 壺はあしはら 千五百秋 汝 用ひて 領せとて 経と矛 賜ふ  〈ホ2ー3〉

後にアマテルがこれを受け継ぎますが、アマテルは新たに三種の器を定め、
矛に代って “ヤヱ垣の剣” が新たな皇位継承の証しとなります。 ▶ヤヱ垣
そのため “二尊の賜ふ逆矛” はアマテルが手許に保持していたと考えられます。


譲る (ゆづる)

 

【概意】
また御言宣。
「むべなるやクシヒコ。
汝は御孫より “ヲコヌシ尊” の名を賜わるも、まだ足らぬ。
幸いにもその気を得たゆえ、我は二尊が賜った逆矛を 汝に譲るなり。」

 

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 うまれすなおに やまとちの をしゑにかなふ
 すへらきの やゑかきのをき 
 たまふなも やまとををこの みたまかみ

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 「生れ素直に 和道の 教えにかなふ
 皇の ヤヱ垣の翁
 賜ふ名も “ヤマトヲヲコのミタマ尊”」

―――――――――――――――――――――――――――――

素直 (すなお)

和道 (やまとぢ・やまとのみち)
「和の道・調和の道」 です。 ▶ヤマト
トの道(とのみち)真ト道(まとみち)ともいいます。


■かなふ (適ふ・叶ふ)
カヌ(兼ぬ)ナフ(▽和ふ・並ぶ) の短縮で、「釣り合う・及ぶ」 などが原義です。
兼ね合ふ見合ふ」 の同義語です。


皇 (すべらぎ・すめらぎ)
スベラ(統べら)+キ(君/木) で、キは キミ(君)の略か、
あるいは キミ(木実)の “キ” で、夫婦一対の国君の 「男君」 を意味します。
これは クシヒコの語った “統べらのよよの垣” のスベラ(統べら) に対応しています。

 てれば統べらの よよの垣 己が央なり 〈ホ23-7〉


■ヤヱ垣の翁 (やゑがきのをき)
ヤヱ垣は 「国家の和を汚穢から守る垣」 という意ですが、
クシヒコの言にあるように、これは モノノベ の換言です。
ヲキ(大き)は ヲキナ(大きなるもの・翁)の略で、この場合は 「主・長・大人」 の換言です。

 これ “ヤヱガキ” は モノノベの 名なりと己が 央に応ゆ 〈ホ23-7〉

したがって “皇のヤヱ垣の翁” は 「皇のモノノベの主」 という意となりますが、
これは オオモノヌシ(皇モノ主) の換言です。


■ヤマトヲヲコのミタマ (和皇籠の御霊)
アマテルからオオモノヌシのクシヒコに賜った尊名です。
ヤマト(和)+ヲヲ(皇)+コ(籠)+ミタマ(御霊) で、
これは “和道の教えに適ふ皇のヤヱ垣の翁” を言い換えたものです。

ヤマト(和)は 「やまと道」、ヲヲ(皇)は 「スベラギ」。
コ(籠)は 「かご・囲み」 の意で、カキ(垣) の換言。この場合は ヤヱ垣=モノノベ をいいます。
ミタマ(御霊)は 「本質・主体」 などが原義で、この場合は ヲキ(大き・翁)の換言です。

 この尊名にも多くのバリエーションがあり、ヲコノカミ(皇籠の尊)、
 ヲコノミタマ(皇籠の御霊)、ヲコタマ(皇籠霊)、
 また帰天後は オオクニタマ(大国魂)、ヤマトオオクニカミ(大和大国神)、
 ヤマトクニタマノカミ(大和国魂神)、ヤマトノカミ(大和の神) などと呼ばれます。

 

【概意】
「生れ付きが素直で、和の道の教えにかなう皇のヤヱ垣の主。
賜う名も “和皇籠の御霊尊”。」

 

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 ときにくしひこ おそれふし しはしこたえす
 もののへら さうけたまえと すすむれと またうなたるお
―――――――――――――――――――――――――――――
 時にクシヒコ 畏れ伏し しばし応えず
 モノノベら 「さ、受け給え」 と 進むれど またうなだるを

―――――――――――――――――――――――――――――

 

【概意】
時にクシヒコは畏れてうつむいたまま、しばし反応せず。
モノノベらが 「さあ受けたまえ」 と促しても、またうなだれるのを見て、

 

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 こやねまた なふかおそれそ うけたまえ われわかけれと
 こもりとは よよむつましく きみのため なかこひとつに
 まめなさん ときにくしひこ うやまいて うけいたたけは

―――――――――――――――――――――――――――――
 コヤネまた 「な深畏れそ 受け給え 我 若けれど
 コモリとは よよ睦じく 君のため 中子一つに
 忠なさん」 時にクシヒコ 敬ひて 受け頂けば

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よよ (弥々)

睦まじ (むつまじ)

■コモリ
クシヒコの代嗣子で、斎名はミホヒコです。

     イサナギ ┌ソサノヲ─オホナムチ (初代モノヌシ)
       ├──-┤       ├───クシヒコ (2代モノヌシ)
    ┌イサナミ └アマテル──タケコ    │
    │                   ├──ミホヒコ (3代モノヌシ)
    │                   │
 トヨケ┴ヤソキネ──タカキネ───────ミホツ姫


■君 (きみ)
ニニキネ を指します。


■中子一つに (なかごひとつに)
「心を一つにして」 という意です。


忠 (まめ)

敬ふ (うやまふ)

頂く・戴く (いただく)

 

【概意】
コヤネはまた 「深畏れなさるな。受けたまえ。我は若輩なれど、
君のため、コモリとはいよいよ睦まじく中子を一つにして忠なさん。」
その時にクシヒコは <逆矛と尊名を> 拝受して頂けば、

 

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 きみはまた ふとたまかくに みことのり まこてるひこの
 はねのおみ ふとたまはよよ まつりとれ またかくやまは
 ものぬしよ むそのもののへ つかさとり たみおをさめよ

―――――――――――――――――――――――――――――
 君はまた フトタマ・カグに 御言宣 「孫テルヒコの
 羽の臣 フトタマはよよ 祀り執れ またカグヤマは
 モノヌシよ 六十のモノノベ 司り 民を治めよ」

―――――――――――――――――――――――――――――

フトタマ

カグ

テルヒコ
オシホミミの長男クシタマホノアカリの斎名です。
すでに大和国のアスカの宮を都とする政府(=朝廷)を建てています。〈20アヤ〉

 ヤソキネ─タカキネ─タクハタチチ姫┐
                  ├クシタマホノアカリ(斎名テルヒコ)
 サクラウチ─セオリツ姫┐     │
            │     ├ニニキネ(斎名キヨヒト)
            ├オシホミミ┘
 イサナギ┐      │
     ├─アマテル─┘
 イサナミ┘

 
■羽の臣 (はねのおみ・はねのをみ) ■諸羽臣 (もろはとみ)
「国家を飛翔させる両翼の臣」 という意で、「左右の臣」 をいいます。
左の臣は “陽陰の纏り・祭祀” を司り、「鏡臣・ヤタ臣」 とも呼ばれます。 ▶陽陰の纏り
右の臣は “地の纏り・国政” を司り、「モノヌシ・剣臣・垣臣」 とも呼ばれます。


よよ (弥々)
ここでは 「連綿と・絶えず・常に・永久に・終世」 などの意を表します。


■祀り (まつり)
このマツリは 「陽陰の纏り」 をいいます。 
「日・月の神霊を世へ纏ること・天界と地上の統合」 を意味し、いわゆる 「祭祀」 です。


モノヌシ
これはテルヒコのアスカ政府における 「モノノベの主・右の臣」 をいい、
オオモノヌシ とは別です。

 

【概意】
君はまたフトタマとカグヤマに御言宣。
「孫テルヒコの羽の臣として、フトタマはたえず祀りを執れ。
またカグヤマはモノヌシよ。60人のモノノベを司って民を治めよ。」

 フトタマの後裔氏族が インベ氏 (忌部氏・斎部氏) です。

 

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 ときにまた こやねこもりに みことのり
 いまきよひとの はねのおみ こやねはよよの まつりとれ
 こもりはよよの ものぬしそ ともにまもりて たみおたせ

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 時にまた コヤネ・コモリに 御言宣
 「今 キヨヒトの 羽の臣 コヤネはよよの 祀り執れ
 コモリはよよの モノヌシぞ 共に守りて 民を治せ」

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キヨヒト
オシホミミの次男ニニキネの斎名です。ホツマ国の筑波山の麓を新規に開拓し、
ニハリ宮フタアレ宮 を建てて同地域を治めています。


今 (いま)
「改めて・新たに」 などが原義です。

 コヤネとクシヒコは当初はテルヒコ朝廷の臣でしたが、
 離反してニニキネの臣となったという経緯があります。〈20アヤー4〉
 そのためここで “改めて” ニニキネの臣として仕えるよう、アマテルが命じているわけです。


■モノヌシ
これもやはり ニニキネ政府における 「モノノベの主・右の臣」 をいい、
オオモノヌシ とは別です。


守る (まもる)

 

【概意】
時にまたコヤネとコモリに御言宣。
「改めてキヨヒトの羽の臣として、コヤネはたえず祀りを執れ。
コモリは終世のモノヌシぞ。共にキヨヒトを守りて民を治せ。」


 このアマテルの御言宣を以て、ニニキネ政府の発足となります。
 ヒタカミにはオシホミミが健在、アスカにはテルヒコの政府があり、
 そしてその上には イサワのアマテルが君臨しています。

 

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 またすへまこに みことのり
 なんちらまつり おこたらす ほつまなるとき やたやすふらん

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 また皇孫に 御言宣
 「汝ら纏り 怠らず ほつま成る時 ヤタ安ぶらん」

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■皇孫 (すべまご)
「皇となったアマテルの孫」 の意で、テルヒコとキヨヒトをいいます。


■纏り (まつり)
この場合は 万の御機の纏り事 をいいます。


ほつま

ヤタ
このヤタは 「民」 を意味します。


■安ぶ (やすぶ)
ヤスム(▽和む・安む)の変態です。「安らぐ・休まる」 という意ですが、
原義は 「和む」 で、これは 「荒猛の心が和(やわ)して調う」 という意味です。 ▶荒猛心
“ヤタ安ぶ” は 「クニトコタチの代の如く 民心が調和して素直となる」 という意味でしょう。

 クニトコタチの 代にはまだ 矛なき故は 素直にて 和を守れば 矛 要らず 〈ホ23-1〉


らん

 

【概意】
また皇孫に御言宣。
「汝らが纏りを怠らず、地上にほつまが成る時、民も和し調うだろう。」

 

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 くしひこは やまとやまへに とのつくり
 よおかんかえは としすてに そふよろやちも
 きわあれは のちのまもりは とよけのり

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 クシヒコは 大和山辺に 殿造り
 節を考えば 年すでに 十二万八千百
 際あれば 後の守りは トヨケ法

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■大和山辺 (やまとやまべ)
「大和国の山沿い」 の意で、後の大和国山辺郡、現在の天理市の大部分にあたります。


■殿 (との)
クシヒコの隠居の殿です。
後世、崇神天皇の時代に この殿の跡に社を建てて
クシヒコの神霊を纏ったのが 大和神社 だろうと考えてます。

 オオクニタマは ヌナギ姫 山辺の里に 纏らしむ 〈ホ33〉

 大和神社 (おおやまとじんじゃ)
 奈良県天理市新泉町星山306。
 現在の祭神:日本大国魂大神 (やまとおおくにたまのおおかみ)
 ・延喜式神名帳には 大和国山辺郡鎮座 “大和坐大国魂神社” と記載。
 ・<筆者注> 日本大国魂は ヤマトヲヲコのミタマ の換言です。


節 (よ)

■際 (きわ)
キリ(切り・限)の変態で、「境目・限り・区切り・極み・きわまり」 などを意味します。


■守り (まもり)
ここでは君への 「仕え・支え・世話・奉公」 などの意です。


■トヨケ法 (とよけのり)
「トヨケの取った方法」 の意で、「神となって世の曲りを排除する道」 をいい、
別名 “逆矛の法” とも呼ばれます。
イサナミが死後 “隈の神” として世の曲りを見張るのもこれにあたります。

 またトヨケ 逆矛の法 ・・・ ・・・ 内厚く 厳 民の父 〈ホ36〉

“国家の和を守る永久の垣” となることを誓ったクシヒコも、ここに至って
この道を選び、ヤマトの神(=ミモロ神・オオモノヌシ神)となるのです。

 てれば統べらの よよの垣 己が央なり 〈ホ23-7〉

 

【概意】
クシヒコは大和の山辺に殿を造り、
世にある時間を考えれば、年すでに12万8千100年。
ここに節目ありと、後の奉公はトヨケ法(逆矛の法)。

 

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 たまのをいれて すへらきの よよまもらんは あめのみち
 みもろのやまに ほらほりて あまのさかほこ さけなから
 いりてしつかに ときおまつ すくなるぬしお みわけんと
 すくなしるしの すきうゆる

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 「霊の緒入れて 皇の よよ守らんは 和の道」
 ミモロの山に 洞掘りて 和の逆矛 放けながら
 入りて静かに 時を待つ 直ぐなる主を 見分けんと
 直ぐな印の 杉 植ゆる

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■霊の緒入る (たまのをいる)
霊の緒” は 「魂と魄の結合」 をいいますが、この結合が切れると
人は命を失うため、「人の生命線」 だといえます。
“霊の緒入る” は 「精魂を込める・命を賭ける」 という意です。


和の道・陽陰の道 (あめのみち)
 
■ミモロの山 (みもろのやま:▽見守の山) ■ミモロ (▽見守)
ミモロは ミモル(見守る)の名詞形で、ミモル=ミマモル(見守る) です。
よって 「クシヒコの神霊が鎮まって世の曲りを見守る/見張る山」 という意です。
現在は “三諸山・御諸山” と当て字されます。


洞 (ほら)
クシヒコが入ったこの洞の跡に、後に建てられたのが 大神神社 と考えます。

 大神神社 (おおみわじんじゃ)
 奈良県桜井市三輪1422。 
 現在の祭神:大物主大神


和の逆矛 (あまのさかほこ)
二尊がアマテルに賜い、アマテルがクシヒコに譲った逆矛です。


放く・離く (さく)
「離す・放つ・出す・ほうり出す」 などが原義で、
この場合は 「和の逆矛を鞘に収めず、抜いたまま」 ということです。


■時を待つ (ときおまつ)
「世に和の道が衰え、その再興が必要となる時に備える」 ということです。
28アヤでアマテルは次のように語っています。

 クシヒコ生まれ 直ぐなれば 授く御矛に 鑑みて
 ミモロに入りて 
時待つも 道 衰はば また出でて 興さんためや 〈28アヤ〉

そしてその時は実際にやってくるのです。


■直ぐなる主 (すぐなるぬし)
「まっすぐな心の持ち主」、つまり 「曲り無き人」 の意に解しています。


■見分く (みわく)
ミワクの “ミワ” は、ミモロ山の別名 “ミワ山” の語源の一つと考えられます。


■杉植ゆる (すぎうゆる)
スギ(杉)は スグ(直ぐ)の名詞形で、「まっすぐ」 を意味します。
クシヒコが入った洞の跡には杉の木を植えたようです。

 大神神社の境内には 現在も “しるしの杉 というものがあり、
 大神神社は 杉の御社(すぎのみやしろ) とも呼ばれます。

 

【概意】
「精魂を込めて皇の絶えず守らんは和の道なり」 と、
クシヒコはミモロの山に洞を掘り、和の逆矛を抜き持ったまま入って静かに時を待つ。
直ぐな心の主を見分けるため、直ぐなしるしの杉を植える。

 

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 をこのみたまの かみはもと ひのわわけみの ことのりも
 あめにつくとて こもりかみ そえもののへは とまみなり
 ことしろぬしは つみはなり ににきねみこの まもりなりけり

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 皇籠の御霊の 尊は本 日輪分身の 言宣も
 「上に継ぐ」 とて コモリ尊 副モノノベは トマミなり
 コトシロヌシは ツミハなり ニニキネ御子の 守り成りけり

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■皇籠の御霊 (をこのみたま)
ヤマトヲヲコノミタマ の換言です。


■本・元 (もと)
モトスエ(本末)の モト(本)で、“親子” で言えば 「親」 です。


■日輪分身 (ひのわわけみ)
日の太神霊の分身」 という意で、「アマテル」 を指します。 ▶ひのわ
日の分宮太陽分宮大日霊貴 などとも呼ばれます。

 
上に継ぐ (あめにつぐ・あにつぐ)
このアメは「上流/源流にあるもの」を表し、「本・親・先代」などを意味します。
この場合は 「本(親・先代)の後を継ぐ」 という意です。
このアマテルの御言宣を受けて、コモリが3代目のオオモノヌシになります。

 複数の政府(朝廷・王朝)が並立している時代ですが、
 オオモノヌシとは中央政府のモノヌシをいい、世襲の終身職です。よってコモリが
 3代目のオオモノヌシに就任したということは、ニニキネの政府が次期中央政府と
 なることが、この時点でほぼ決まっていると考えていいと思います。

  
■副モノノベ (そえもののべ) ■副モノヌシ (そえものぬし) ■副モノ (そえもの)
ムラジ(連)やコトシロヌシと同様に、「オオモノヌシの次官・代理」 ですが、
ムラジとコトシロヌシが常任の職であるのに対し、副モノノベは必要に応じて任命される
臨時職のようです。


■トマミ
アメトマミ の略です。クマノクスヒの子で、ニニキネの従兄弟です。
アメトマミも はじめはアスカ宮のテルヒコに侍っていますので、
宮の移転に異を唱えてアスカ朝廷から離脱した コヤネやクシヒコと
行動を共にしたのかもしれません。


コトシロヌシ (▽事知主)
連(むらじ)や副モノと同じく、オオモノヌシを補佐する官職ですが、
これは常任の職で、「オオモノヌシの全権代理」 です。コトシロヌシは1人しかいません。


■ツミハ
コモリの次男です。 ▶系図

 

【概意】
ヲコのミタマの尊は本。
日輪の分身の言宣も 「末は本に継ぐ」 とて、<オオモノヌシは> コモリ尊。
副モノノベはトマミなり。コトシロヌシはツミハなり。ニニキネ御子の守り成りけり。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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