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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第73回 [2023.11.8]

第十四巻 代嗣祈る宣詞の文 (6)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 よつぎのるのとことのあや (その6)
 代嗣祈る宣詞の文 https://gejirin.com/hotuma14.html
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 よつきのはたお をらんとて ひなくるかすの よつきこお
 さつくるいせの あくりには あさひおうけて あたたまる
 ときにとつけは こおはらみ いきすこえみめ そなえうむ
 よつきもかもに みことのり

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 代嗣の機を 織らんとて 杼投ぐる数の 代嗣子を
 授くる妹背の あくりには 「朝日を受けて 暖まる
 時にとつげば 子を孕み イキス・声・見目 備え生む」
 代嗣もがもに 御言宣

―――――――――――――――――――――――――――――

■代嗣の機 (よつぎのはた)
代嗣の綾(よつぎのあや) の換言で、「後継者が生まれる経緯/しくみ」 をいいます。
 
 ★機・衣 (はた・は)
 ハツ(▽合つ・泊つ) の名詞形で、ハツは アツ(当つ)の変態です。
 「合わせ」 を原義として 「編み・交差・織り」 などを意味し、ハ(衣)とも略します。
 “機” は 「経糸緯糸の交差が生むもの」 をいいますが、
 ここでは 「経緯(けいい/いきさつ)・しくみ」 などを意味します。


■杼投ぐる数 (ひなぐるかず)
機を織るには、杼を左右に往復させて経糸に緯糸を交差させます。 ▶杼(ひ)
これを “杼投げ” といい、“杼投ぐる数” とは、一反の機を織るに必要な 「杼投げの数」 です。
ですから 「非常に多くの数・膨大な数」 を表しますが、この場合は 「多くの場合の・一般的な」
という意味になります。


■妹背のあくり (いせのあくり)
イセ(▽妹背)は 「陰陽・女男」 を原義とし、ここでは 「めをと・夫婦」 をいいます。

 ★あくり (明くり)

とつぐ

■イキス (息子・息素・息数)
イキ(息・▽往き)+ス(数・子・素) で、「呼吸の一回一回・呼吸数」 をいいます。

 ★ス (数・子・▽小・素・州)
 カズフ(数ふ)の母動詞 “スフ” の名詞形で、「数えるもの・数あるもの・多くに分れるもの」
 などを原義とし、「数・構成要素・分子」 などを表します。

  カズフは カス(和す)+スフ(統ぶ・▽添ふ) の同義語短縮で、「合す・足す」 が原義。
  おそらくは スフ=数(すう) でしょう。


見目 (みめ)


もがも
「〜があるといいなあ・〜であるといいなあ」 などの 「願望」 を表します。

 モグ(▽求ぐ)+カモ の短縮ではないかと思います。モグは マグ(覓ぐ・求ぐ)の変態です。
 また モグ(▽求ぐ)+カナ(哉) が縮まって、“もがな” とも言います。
 また 略されて “もが” や “がな” ともなります。

 

【概意】
代嗣を生む経緯の文を織ろうと、多くの夫婦に代嗣子を授ける
一般的なあくり(テコ入れ)としては、「朝日を受けて暖まる時にとつげば、
子を孕み、呼吸数・声・容姿を備えて生まれる」 と。
そしてまた、代嗣の生れを願って御言宣。



―――――――――――――――――――――――――――――――
 わかこころ まねけとほかみ ゑひための
 くにはみちのふ うつはもの まねかはうえに あらはれて
 はたれやふれは さはりなし みのすかなれは かみこころ
 めくみてはなに みおうるそ いせのをしゑの あめにこたゑて

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 『我が心 招け トホカミ ヱヒタメの
 国は道展ぶ 器物 招かば諾に 現れて
 ハタレ破れば 障りなし 実の清 成れば 上心
 恵みて木に 実を得るぞ 妹背の教えの 和に応えて』

―――――――――――――――――――――――――――――――

■我が心 (わがこころ)
ここでは代嗣子を望む各人の 「自分の心・自分の神霊/魂魄」 をいいます。
各人の魂(=日の神霊)と魄(=月神霊)は、日月の太神霊の分霊であり、
天元神ホカミヱヒタメが タエ守をして魂と魄を結び、霊の緒とします。

 人生まる時 元つ神(=天元神) そのタエ守が 種下し モノと魂魄 結ひ和す 〈ホ14-3〉

  ★心 (こころ)
  「中心・本質・精髄・神髄」 などを意味し、「霊・神・中子」 などの同義語です。


■招けトホカミヱヒタメの (まねけとほかみゑひための)
「招けトホカミヱヒタメの神」 という意味ですが、‘トホカミヱヒタメ’ は次の
“トホカミヱヒタメの国” と兼用となっているため、“神” が省かれています。


■トホカミヱヒタメの国 (とほかみゑひためのくに)
八方八下りの御子が地球の八方に建てた国で、ト(南)・ホ(東北)・カ(西)・ミ(東南)・
ヱ(北)・ヒ(西南)・タ(東)・メ(西北) の8国をいいます。
ここでは 「神霊が人に生まれて物質世界を経験する個々の地」 と考えていいでしょう。


■道展ぶ (みちのぶ)
「道を発展させる」 という意です。
ホツマにおいて単に “道” という場合、たいていは 陽陰和る道 をいいます。
この場合は 「神霊が人に生まれて物質世界を経験する道」 をいいます。

 この底辺には、なにゆえ我々は輪廻転生を繰り返しているのか?また、
 なにゆえアメミヲヤは大宇宙を創造したのか?という根本的な問題が
 存在しますが、ホツマもミカサもそこまでは触れていません。


器物 (うつはもの・うつわもの)
ここでは 「物的手段・道具・教材」 と考えていいと思います。


■諾に (うえに)
「よく・うまく・よろしく・喜んで」 などの意です。

 ★うえ・うへ・うべ (諾・宜)
 ムベ(宜)の変態で、「合意・納得するさま・好ましく思うさま」 を表します。


ハタレ
ここでは 「ハタレのモノ」 の略で、「曲った霊・邪霊」 をいいます。
つまり ヨコガハハイソラオロチ などと同じです。


障り (さはり・さわり)
詳しくは16アヤで説かれますが、ここに言う “障り” とは
「孕んだ子種をイソラ(邪霊)が噛み滅ぼす」 ことをいいます。

・愚か女が 妬むイソラの 金杖に 子種打たれて 流れゆく〈ホ16〉
・妬むその息 一万三千 群れて鱗の 愚霊成す 玉島の隙 窺ひて
 子壺に入りて 孕み子を 噛み砕くゆえ 種生らず 〈ホ16〉


またイソラ(邪霊)を引き寄せるのは、“同類相求むの法則” によるため、その人の心に
もともとの原因があります。ひとたび邪霊の干渉を受け、それを祓わずに放置すれば、
人と邪霊の共生関係が始まって、心の曲りはひどくなり、最終的には麻薬中毒のように
“もうやめられない” 状態となります。

それゆえ 「天元神を招いて邪霊を祓えよ」 と、またついでに 邪霊を招き寄せた
「自分の心の曲りを直してしまえよ」 と、アマテルはここで言っているのです。


■実の清 (みのすが)
「心の曲りのないさま・心の調和」 という意です。 ▶み(実) ▶清(すが)


■上心 (かみこころ)
「上位の神霊」 の意で、人の心(=神霊・魂魄) の 親霊(をやだま) をいいます。
すなわち 「日月の太神霊」 です。

木 (はな)

■妹背の教えの和 (いせのをしゑのあめ)
「陰陽の教えの “和”」 という意ですが、ここでは夫婦の和合をいうのではなく、
「心の調和」 をいいます。つまり “実の清(みのすが)” の換言です。

 ★妹背 (いせ) ★和 (あめ)


■応えて (こたゑて)
「報いて」 の意です。

 

【概意】
『我が心よ トホカミヱヒタメの神を招け
 トホカミヱヒタメの国は 陰陽和る道を発展させる道具なれば
 招けばよろしく現れて 邪霊を破れば障りなし
 <障りが除かれ> 心の調和が成ったなら 日月の太神霊は恵みて
 木に実を得るぞ 陰陽の教えの “和” に報いて』



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 のとはこれ もろにもふせと ををすとき
 かすかわかひこ たちいてて
 おかみつつしみ あるこころ もふせるうたに

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 「宣はこれ 諸に申せ」 と 仰す時
 カスガワカヒコ 立ち出でて
 拝み謹み 在る心 申せる歌に

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宣 (のと)

カスガワカヒコ

拝む (おがむ)

謹む (つつしむ)

■在る心 (あるこころ)
「持つ心・心持」 という意味です。


■申せる (もふせる)
「終止形+える」 の形の、モフス(申す)の連体形です。

 

【概意】
「宣はこれ。諸に申せ」 と仰せになる時、
カスガワカヒコが立ち出でて、大御神を拝み、
心身を正して心持を申す歌に、



―――――――――――――――――――――――――――――
 あまいのる このてかしはゆ おとおすく
 やとるおなかの みことなる このこはますく たらちねの
 なゑのよつきの みことなりけり
 かくみたひ うたひますれは

―――――――――――――――――――――――――――――
 『陽陰いのる この手柏ゆ 劣を直ぐ
 宿る央中の みごと成る この子は真直 父母の
 嘗の代継ぎの 御子となりけり』
 かく三度 歌ひますれば

―――――――――――――――――――――――――――――

■陽陰いのる (あまいのる)
イノルは、この場合は原義通りで、「陽陰を結い和す」 という意となります。
アマ(陽陰)は この場合は アワ歌の48神 (=アワの神) をいいます。


■手柏 (てがしは)
「手合せ・手打ち・手結び・手締め」 などの意を表し、この場合は タミメ の換言です。

 ★柏 (かしは)
 カス(▽和す)+シフ(▽締ふ) の短縮 “カシフ” の名詞形です。
 両語とも 「合わす・結ぶ・締める・組む」 などの意を表します。
 カシハは “カシマ” の変態です。


ゆ (自・従)
助詞の “より”  “から” と同じです。


劣・乙・弟 (おと)
オツ(落つ・墜つ・堕つ)の名詞形で、「下がるさま・落ちるさま・劣るさま」 をいいます。
ここでは 「邪霊に干渉を受ける状態」 を “劣” と呼んでます。


■直ぐ (すぐ)
「まっすぐにする・直す・調和する」 の意を表す動詞ですが、今の辞書にはありません。
これの名詞形が スガ(▽直・清)・スコ(▽健)・スギ(杉) などです。

 ★陽陰いのるこの手柏ゆ劣を直ぐ (あまいのるこのてがしはゆおとおすぐ)
 「陽陰の神を結ぶタミメにより邪霊の障りを祓い調える」 という意です。
 そして タミメ=ヲシテ=48神の言霊 ですから、
 「言葉の力で邪霊を祓い、コンディションを調える」 ということです。

  これはワカ姫がまじないの歌でイナゴを祓うのと同じ原理です。〈ホ1-3〉


央中 (おなか)
ここでは 「腹の中」 をいいます。


■みごと (見事)
ミコト(尊)と同源で、「優れたるさま・優れた状態」 を意味します。


真直 (ますぐ)

■嘗 (なゑ)
ナメ(嘗)の変態で、「まとめ/まとまり・結び・纏り・治め/治まり」 などを原義とし、
この場合は イヱ(家) の換言です。


御子 (みこ)
「上位の子」 の意で、ここでは 「代嗣の子」 をいいます。
アコ(▽上子)・アニ(兄) とも呼ばれます。


けり

かく三度 (かくみたび)

 

【概意】
『陽陰の神を結ぶ このタミメにより 劣を直して、
 宿るお腹の優れた状態が成る。さればこの子はまっすぐ
 曲ることなく、父母の家の代継ぎの御子となるにしかり』
 このように3度歌いますと、



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 みほひこも たちうやまひて おもふこと もふせるうたに
 こおこふる いもをせのかに こもりくの
 こもりそたてん たらちねのかみ
 かくみたひ うたひますれは

―――――――――――――――――――――――――――――
 ミホヒコも 立ち敬ひて 思ふこと 申せる歌に
 『子を恋ふる 妹背の和に 籠りくの
 子 守り育てん タラチネの神』
 かく三度 歌ひますれば

―――――――――――――――――――――――――――――

ミホヒコ

■立ち敬ふ (たちうやまふ)
「起立して敬礼をする・立って頭を下げる」 ということです。

 ★立つ (たつ)
 「心身をまっすぐにする・心身を正す・謹む」 の意を表す行動です。

 ★敬ふ (うやまふ)
 ウユ(▽上ゆ)+マフ(▽詣ふ) の連結で、ウユは ウヱ(上)の母動詞で、
 マフは マフヅ(詣づ)の母動詞。どちらも 「上がる/上げる・上に置く」 が原義で、
 オガム(拝む) と同じです。その心を 「身を低める・頭を下げる」 ことで形にします。


■乞ふる・恋ふる (こふる)
コフ(乞ふ恋ふ)の連体形で、「(心を) 合わす・寄せる」 が原義です。
“乞ふ” は四段、“恋ふ” は上二段となっていますが、もとは同一の言葉と考えます。


■妹背の和 (いもをせのか)
妹背” は 「陰陽・女男・めおと・夫婦」 です。
カ(▽和・▽交)は クワエ(加え)の “クワ” の音短で、「和合・交合」 を意味します。


■籠りく (こもりく)
コモル(籠る)シク(如く) の連結から ‘シ’ を省いたク語法で、
「隠れる如く・潜む如く」 の意です。「まだ世に現れていない」 ことを表します。


タラチネの神 (たらちねのかみ)
タラチネは 「陽陰の因み」 が原義で、カミは 「神霊(みたま)」 です。
ですからこれは 「父の波母の和霊」、すなわち 「日の神霊と月神霊」 の換言です。

 父の波 母の和霊と 因み合ひ 〈ホ14-3〉


歌ひます (うたひます)
このマスは 謙譲のマス(申す)です。

 

【概意】
 ミホヒコも起立して敬礼し、思うことを申す歌に、
『子を乞い願う 夫婦の和合に 籠った子を 守り育てるだろう 日月の神霊』
 このように3度歌いますれば、



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 やすひこも たちうやまひて おもふこと もふせるうたに
 やすやすと さくらのははの みとりこお
 かつてにかけて いてやうません
 かくみたひ うたひますれは みことのり

―――――――――――――――――――――――――――――
 ヤスヒコも 立ち敬ひて 思ふこと 申せる歌に
 『安々と 桜の母の 充り子を
 勝手にかけて いでや生ません』
 かく三度 歌ひますれば 御言宣

―――――――――――――――――――――――――――――

ヤスヒコ

■安々と (やすやすと)
「やわやわと・安らかに・穏やかに・難儀なく」 などの意です。
“やす” は 自分の斎名のヤスヒコに語呂を合せています。


■桜の母 (さくらのはは)
サクラ(桜)は サカリ(盛り)・サカヱ(栄え) の変態です。
ですから 「栄える母・花盛りの母」 という意で、
「もうすぐ実を結ぶ母・もうすぐ出産の母」 をいいます。


充り子 (みとりこ)

■勝手 (かつて・かって)
カツ(勝つ・▽上つ)+テ(手) で、「勝る手・利き手・自在に使える手」 をいいます。


いでやいで

 

【概意】
 ヤスヒコも起立して敬礼し、思うことを申す歌に、
『やすやすと 盛りの母の 充ち足る子を 我が勝手にかけて さあ生ませるぞ』
 このように3度歌いますれば、御言宣。



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 なんちわかひこ ひとふるに あまのこやねと なにしあゑ
 たまふをしては かすかかみ

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 汝ワカヒコ 一振に アマノコヤネと 名にしあえ
 賜ふヲシテは カスガ尊

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■一振 (ひとふる)
「ひとすじに行動するさま・邁進するさま」 をいいます。

 ヒト(一)は ヒタ(直)の変態で、「他に逸れないさま・いちず・ひとすじ」 の意。
 フルは フル(振る)の名詞形で、「振る舞うこと・行動すること」 を意味します。
 ヒタブル の変態で、ヒタムキヒタスラ などと同義です。


■アマノコヤネ (▽陽陰/天地の交和)
アマは 「陽陰・天地」 を表し、コヤネは コフ(交ふ)+ヤヌ(▽和ぬ) の短縮の名詞形で、
「交え和すこと」 を意味します。よって 「陽陰を交え和わす者・天と地を結ぶ者」 という意です。
これは アメノマツリ(陽陰の纏り)ココトムスビ(▽上下結び)、カスガカミ(▽上下和み)、
また カガミ(▽明暗見・鏡)などと同義です。記紀には 天児屋命/天児屋根命 と記されます。

この名はワカヒコが詠んだ歌の “陽陰いのる(あまいのる)” の換言です。

 陽陰いのる この手柏ゆ 劣を直ぐ 宿る央中の みごと成る
 この子は真直ぐ 父母の 嘗の代継ぎの 御子となりけり 〈ホ14-6〉


名にしあふ (なにしあふ)

ヲシテ (押手)


■カスガ尊・カスガ和み (かすがかみ)
このカスガは 「上下・陰陽・天地・明暗・魂魄」 などを意味し、
ココスト/ココト(▽上下)カガ(▽明暗) などと同義です。
カミは 「▽和み・咬み」 で、「交え合わす者・結ぶ者」 の意ですが、
それにカミ(尊)の意を重ねています。

よってカスガカミは 「陽陰を交え合わす尊者・天と地を結ぶ尊者」 という意味で、
これは “アマノコヤネ” の換言です。後にワカヒコはこの名の通り、
天と地(神と人)を結ぶことを役目とする 「明暗見(鏡)の臣」 となります。

 

【概意】
汝ワカヒコは、ひたすら “アマノコヤネ” という名に釣り合え。
賜ふ称号は “カスガ尊”。



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 またみほひこか みそむこお ひたすこころは みにこたえ
 たまふをしては こもりかみ

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 またミホヒコが 三十六子を 養す心は 実に応え
 賜ふヲシテは コモリ尊

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■三十六子 (みそむこ)
ミホヒコの18男と18女の子供をいいます。

               ┌─────────┐
               ├9.タケフツ    ├10.チシロ
               ├8.ヤサカヒコ   ├11.ミノシマ(ミゾクイ)
               ├7.ナラヒコ    ├12.オオタ
               ├6.コセツヒコ   ├13.イワクラ
               ├5.チハヤヒ    ├14.ウタミワケ
               ├4.ヨテヒコ    ├15.ミコモリ
               ├3.ヨシノミコモリ ├16.サギス
 スヱツミ─イクタマヨリ姫  ├2.ツミハ     ├17.クワウチ
        ├──────┴1.カンタチ    └18.オトマロ
 クシヒコ──コモリ
        ├──────┬1.モト姫     ┌18.トヨリ姫
 アチハセ─シラタマ姫    ├2.タマネ姫    ├17.アワナリ姫
               ├3.イソヨリ姫   ├16.ワカネ姫
               ├4.ムレノ姫    ├15.ハザクラ姫
               ├5.ミハオリ姫   ├14.アサ姫
               ├6.スセリ姫    ├13.ムメチル姫
               ├7.ミタラシ姫   ├12.ハモミ姫
               ├8.ヤヱコ姫    ├11.ミチツル姫
               ├9.コユルキ姫   ├10.シモト姫
               └─────────┘


■実に応ふ (みにこたふ)
ミ(実)は この場合は 「心」 です。
コタフ(応ふ)は ここでは 「反応する・響く・共鳴する」 などの意です。
ですから 「心を打つ・心に響く」 などの意となります。

 キモニコタフ(肝に応ふ)、ムネニコタフ(胸に応ふ)、ヲニコタフ(央に応ふ)
 などとも表現します。


■コモリ尊 (こもりかみ)
コモリは 「子守」 の意です。
この名はミホヒコが詠んだ歌の “籠りく” と “子守り育てん” に由来します。
後にミホヒコはその名の通り、産婦人科医の草分け的存在となります。

 子を恋ふる 妹背の和に 籠りくの 子守り育てん タラチネの神 〈ホ14-6〉

 

【概意】
またミホヒコが36人の子を守り育てる心は、我が心に響く。
賜う称号は “コモリ尊”。



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 またやすひこは やすやすと とりあくことお わさとなせ
 たまふをしては かつてかみ

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 またヤスヒコは 安々と 取り分く事を 業となせ
 賜ふヲシテは カツテ尊

―――――――――――――――――――――――――――――

■取り分く (とりあく)
今は “赤子を取り上げる” と言いますが、このアクは アカル(散る分る)の母動詞で、
ワク(分く)の変態です。ですから 「取り分ける・分離させる・分娩させる」 が本来の意でしょう。


■カツテ尊 (かつてかみ)
この名はヤスヒコが詠んだ歌の “勝手にかけて” に由来します。
後にヤスヒコはその名の通り、助産夫の草分け的存在となります。

 安々と 桜の母の 充り子を 勝手にかけて いでや生ません 〈ホ14-6〉

 

【概意】
またヤスヒコは、やすやすと取り分けることを業となせ。
賜う称号は “カツテ尊”。



―――――――――――――――――――――――――――――
 またもろかみに みことのり つきこいのらは わかうたと
 こやねとこもり かつてみな あめにこたふる をしゑなり
 たみかならすも これなわすれそ

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 また諸守に 御言宣 「嗣子祈らば 我が歌と
 コヤネとコモリ カツテみな 陽陰に応ふる 教えなり
 民 必らずも これな忘れそ」

―――――――――――――――――――――――――――――

■陽陰に応ふる教え (あめにこたふるをしゑ)
陽陰の道応ずる教え」 という意です。


■必ずも (かならずも)
“かならず” と同じです。「なんとしても・どうあろうとも」 などの意を表します。


■な忘れそ (なわすれそ)
「な」 + 「動詞の連用形」 + 「そ」 の形は、ゆるやかに禁止する意を表します。
ここでは 「忘れるなよ・忘れるでないぞ」 などの意になります。

 

【概意】
また諸守に御言宣。
「嗣子を祈るなら、我が歌と、コヤネとコモリとカツテの歌も、
共に陰陽の道に適う教えである。民よ けっしてこれを忘れるなよ。」



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 このときに やもよろかみも もろたみも をしゑおききて
 やちたひに こたねうること さたまると
 ちたひうやまふ のとことそこれ

―――――――――――――――――――――――――――――
 この時に 八百万守も 諸民も 教えを聞きて
 八千度に 「子種得る言 定まる」 と
 千度敬まふ 宣言ぞこれ

―――――――――――――――――――――――――――――

■八百万守 (やもよろかみ)
八百万充ちの尊と彦” をいいます。


■子種得る言 (こだねうること)
「子のもと(元・素)を得る宣言」 の意で、アマテルの創った
“我が心招け トホカミヱヒタメの ・・・ ・・・ ” の歌を指します。


宣言 (のとこと)

 

【概意】
この時に八百万守も諸民も教えを聞いて、
八千度に 「子の種を得る文言が定まった」 と
千度敬まう宣言ぞこれ。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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