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徹底解説ほつまつたえ講座 改訂版第96回 [2023.12.18]

第十七巻 神鏡ヤタの名の文 (9)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 かんかがみやたのなのあや (その9)
 神鏡ヤタの名の文 https://gejirin.com/hotuma17.html
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 つつしみて あまのこやねか
 もともりお こへはまたとよ みことのり 
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 つつしみて アマノコヤネが
 “元守” を 乞えばまた 響御言宣

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つつしむ

■元守 (もともり)
「天神が付ける」 という意で、14アヤに登場した タエ守守の神 の換言です。
アモトノサヲシカ(天元の差使)、サシ(差使) とも呼ばれます。

・元つ神 そのタエ守が 種下し モノと魂魄 結ひ和す 〈ホ14-3〉
・霊汁煮られて 五色の 埴もて付くる 
守の神 〈ホ14-4〉

 天元神が人に付けるこの守神は、魂・魄16万8千のモノを結い和して
 霊の緒を生成し、その後は根の六臓 (あるいは五臓) に留まります。
 そのため “元守” は 「五臓/六臓」 の別名でもあります。


■響御言宣 (とよみことのり)
 「八方に響いて恵みを配る御言宣」 という意で、 ▶響(とよ)
これもアマテルの御言宣に対する尊称です。 ▶和照る御言宣

 

【概意】
つつしんでアマノコヤネが “元守” を乞えば、
またも八方に恵みを響かす御言宣。

 

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 ひとはあめつち かたとれり
 そらはたかまの はらのうち めはなにしるも ひつきほし
 ゐわたむくらも くにのみち なかこはきみそ きもはとみ
 よこしはたみよ ふくしかき むらとはならす わたそえて

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 人は天地 形取れり
 空は高天の 原の内 目・鼻に知るも 日・月・星
 五腑六臓も 地の道 中子は君ぞ 肝は臣
 脾は民よ 肺 垣 腎は平らす 腑 副手

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■天地 (あめつち)
天地創造の過程で、軽い陽が上って出来た 「天」 と、重い陰が下って出来た 「地」 をいい、
「上界と下界・天界と地界・非物質界と物質界・あの世とこの世」 を意味します。
両方を合わせて 「全宇宙・大宇宙」 です。

 天地(=大宇宙)は、ビーカーに入れた泥水をかき混ぜて、しばらく放置した後の
 多階層の状態、これに似たものとして捉えられています。


■形取れり (かたどれり)
カタドル(象る・模る)ナリ(断定) の短縮形です。


■空 (そら)
この場合は、地上から人が見上げる 「上空」 をいい、天地(あめつち)の 「天」 の換言です。


■高天の原 (たかまのはら)
「天空の領域・宇宙」 をいいますが、それは当時の認識では 「天上界・神々の世界」 です。
この意味の場合は “高天” と当て字しようと思います。 ▶タカマ ▶原
地上における 天領 を “タカマの原” と呼ぶ場合もあります。

 
中子 (なかご) ■肝 (きも)
“中子” は 「中心部」 が原義で、この場合は 「心臓」 をいいます。
“肝” は 「大事な所」 が原義で、この場合は 「肝臓」 をいいます。


脾 (よこし) ■肺 (ふくし) ■腎 (むらと)

平す・均す (ならす)
「凸凹を平らにする・調整する・直す」 などの意です。
これは腎臓の 「濾過機能・調節機能」 をいうものと考えられます。


■腑副手 (わたそえで)
ワタ(腑)は 上記の “五臓” 以外の臓腑を総称しているのでしょう。
ソエデ(添手・副手)は 「助手・補助」 を意味します。

 

【概意】
人間は天地を形にしたものである。空は天上界の一部で、
人の顔の目や鼻に相当するのが 日・月・星である。
<目や鼻が天のシステムならば> 五腑六臓も地のシステムで、
心臓は君ぞ。肝臓は臣、脾臓は民よ。
また肺は垣、腎臓は調整役、その他の腑は助手。

 

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 みやひめつけの わるさつけ
 ふくしかまえの あつさむも ころもかゆれと ほしにしむ
 ときはかまわす あまきには よこしむさほる こころさし

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 ミヤビ 目付けの 悪さ告げ
 肺 かまえの 暑寒も 衣替ゆれど 欲に染む
 時はかまわず 甘きには 脾 むさぼる 心指し

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目付け (めつけ)
「見張り・監視役」 です。ミツケ(見付け)ともいいます。


■悪さ告ぐ (わるさつぐ)
ワルサ(悪さ)は ここでは 「悪い状況・障害」 をいいます。
「人の心と肉体の障害を中子(=神の心)に伝える」 というミヤビの機能をいいます。


かまえ (構え)
カバイ(庇い) の変態で、「覆い・防御・防備」 などの意です。
これは 外からの攻撃から内を守る 「垣」 としての、肺の機能をいいます。


■暑寒 (あつさむ)
「暑さ寒さ」 をいい、これは 「外部環境の変化」 を意味します。


■衣替ゆ (ころもかゆ)
「着る物を替える」 ことをいい、これは 「外部環境の変化への対応」 を意味します。


■欲に染む (ほしにしむ)
「欲には染まる」 という意で、外からの攻撃を防ぐ垣である “肺” も、
(外界の奢りを見聞きして) 内から起る欲は防げないという意味です。
“欲” とは 「人の心の 曲り/傾き/偏向」 です。

 心派は 奢りを聞けば 欲に染む 〈ホ17-8〉


■時はかまわず (ときはかまわず)
「暑寒の季節に関わりなく」、つまり 「外部環境の変化に関わりなく」 という意に解しています。


■甘き (あまき)
「甘美なもの」 という意で、うまき(旨き・美味き)の変態です。
「人の欲望の対象となるもの」 をいい、代表的なのが 「食」 や 「色」 です。

 褒め衣・美味きに 耽るゆえ 稀に生まるも 貧しくて 〈ホ13-5〉


むさぼる (貪る)

心指し (こころざし)

 

【概意】
ミヤビは監視役として 人の心や肉体の障害を中子に伝える。
肺は防御の垣として、暑寒などの外部環境の変化には、衣を替えるなどして
対応するが、内から起る欲には染まってしまい、役にたたない。
脾臓は環境の変化に関わりなく、甘美な欲に溺れる本質的な性向がある。

 

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 むらとのいきお めくらすも いろにおほれて らみからす
 これみのかかみ くもりさひ うはわるなかこ みかかんと
 やたのかかみに むかわせて みかくうつわは もとのもり

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 腎の息を 巡らすも 色に溺れて 霊身枯らす
 これ身の鏡 曇り錆び 奪わる中子 磨かんと
 ヤタのカガミに 向かわせて 磨く器は 元の守

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■腎の息 (むらとのいき)
イキ(息)は 「往き来・出し入れ・回転・循環」 などが原義です。
“腎の息” は 「腎臓の代謝交換機能・濾過機能」 をいうものと考えます。
この機能により 身体を一定の状態に “平す” というわけです。


■霊身 (らみ)
ラは ル(霊) の変態で、ラミは 「霊の身・霊体」 を意味します。
これは 「中子・心」 の換言ですが、この場合は 「広義の中子=人の心」 をいいます。

 陽陰 日月 魂魄 =  中子


■これ身の鏡 (これみのかがみ)
「“霊身” は肉体の鏡である・人の心は肉体の映し/写しである」 という意です。


■曇る (くもる)
クム(▽曲む)+オル(折る) の短縮で、クムは クルフ(狂う)の母動詞 “クル” の変態。
両語とも 「逸れる・外れる・曲る・狂う・不調/異常となる」 などが原義です。
クムの名詞形が クマ(曲・隈)、クモ(雲) です。


錆ぶ荒ぶ・寂ぶ (さぶ)
サル(去る・避る)の変態で、これもやはり
「離れる・逸れる・外れる・曲る・狂う・不調/異常となる」 などが原義です。


■奪わる (うばわる)
ウバフ(奪ふ)の受身による自動詞形です。
ウバフは 「そらす・曲げる・外す」 などが原義ですので、「反り曲がる」 という意で、
これは “曇り錆ぶ” の換言です。


■ヤタの鏡に向かわす (やたのかがみにむかわす)
ヤタの鏡に中子(=人の心)を映す」 という意です。


器 (うつわ)
ウツワ(器)は 「埴・土・固形物・有形物」 が原義で、この場合は 「五色の埴」 の換言です。


■元の守 (もとのもり)
モトモリ(元守)と同じで、「天元神が人に付ける守」 をいいますが、
ここではこの守が宿っている 「五色の埴 (=根の六臓/五臓)」 を意味します。

 

【概意】
それゆえ腎臓が循環濾過をしているにもかかわらず、
色欲に溺れて霊体を枯らしてしまう。霊体(=中子・人の心)は肉体の鏡ぞ。
曇り錆びて曲った中子を磨くべく、ヤタの鏡に中子を映して磨く有形物、
これが元の守(=根の六臓)なのである。


 中子と肉体は鏡に映った像のように同じ状態となるため、一方に障害があれば他方にも
 障害が現れますが、逆に、一方を健康にすれば他方も健全化できることにもなります。
 つまり、“健全な精神は健全な肉体に宿る” ということですが、その関係を利用して
 「中子を健全にするため、肉体の根本である臓腑を磨く」 ということを言ってます。
 そしてこれが

  潤む霊は肝ぞ (中子を養生するのは臓器ぞ) 〈ホ17-8〉

 という言葉の意味だったわけです。

 

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 なかこのかたち かかみそよ ひとみぬとても ぬすむなよ
 およそのひとは しらねとも みなあらはるる もとのもり

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 中子の形 カガミぞよ 人見ぬとても 盗むなよ
 およその人は 知らねども 穢 現るる 元の守

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■中子の形カガミぞよ (なかごのかたちかがみぞよ)
「中子を形にしたのが “カガミ” である」 という意です。
カガミ(明暗見・鏡)は 「陽陰/日月/魂魄 の合わせ」 を意味します。 ▶魂と魄

 中子=心=霊=魂魄=陽陰=日月=昼夜=明暗 ですから、
 明暗見 (陽と陰の和) = 魂+魄 =中子 です。

 人はもと 中子・心派 日月なり  〈ホ15-5〉


穢 (みな)
イナ(否・▽辞)の変態で、「離れ・逸れ・曲り・外れ・不調・異常」 などが原義です。
この場合は 中子の 「曲り・異常・障害・病」 をいいます。

 

【概意】
中子を形にしたのが “カガミ” ぞよ。
人が見てないからと盗むなよ。およその人は知らないが、
中子の曲りは 元の守(=根の六臓)の病として現れるのである。

 

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 あめはいにしる はにこたふ ひとはつけしる このみつに
 つけあらはれて ををやけの つみまぬかるる ところなし

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 天は気に知る 埴 応ふ 人は告げ知る この三つに
 告げ顕れて 公の 罪免かるる 所なし

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■天は気に知る (あめはいにしる)
このアメ(天・▽上)は ソラ(空)の換言で、「風神」 を意味します。
イ(気)は ここでは 「空気・風」 をいいます。
これは風神が、盗人の身に触れる風から犯罪を探知することをいいます。

 隠し盗むも 身に添ふる 風より陽陰に 告ぐるなり 〈ホ17-6〉


■埴応ふ (はにこたふ)
ハニ(埴)は 「埴神・土の神」 をいいます。
コタフ(応ふ)は 「人の動きに応じる」 ということでしょう。
人の動きとは この場合、「せくぐまってぬき足で歩くこと」 をいいます。

・二の盗みは せくぐまり ぬき足なすも 土の神 恵みによりて まだ告げず 〈ホ17-6〉
・見目に言葉に せくぐまり ぬき足 応ふ 〈ホ17-8〉


■人は告げ知る (ひとはつげしる)
「人は告げによって知る」 という意です。
具体的には、“人” は  「犯人の主・長・司」、“告げ” は 「犯人の自供」 です。

 その主は 故に問ひ詰め 九々さとし また心問えば つい語る 〈ホ17-6〉


■三つ (みつ)
前に “三つ知る告げ” の名で登場しています。


■公の罪 (ををやけのつみ)
御上が世に公布した罪」 という意です。 ▶公

 

【概意】
風神は気に知る。埴神は動きに応じる。人は告げに知る。
この3つの告知にあらわとなり、公の罪を免かれる所なし。

 

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 つねにおそれよ ひのめくり ひるはひとかも あきらかて
 よはかとにこる むしはみも あめのこころに みるは
 かみはにとしはかみ このあちお ひとのみにしる

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 常に畏れよ 日の巡り 昼は人気も 明らかで
 夜は暗と濁る 蝕みも 陽陰の心に 見るば
 上・埴と地上 この味を 人の身に領る

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  ここは五七調が少々いびつなため、言葉の区切りを調整しています

■畏る (おそる)
ここでは 「敬う・尊ぶ・かしこむ・重んじる」 などの意です。


■人気 (ひとか)
「人の気持ち・人の心」 をいいます。

 ★気 ()
 「湧き起るもの・立ち上るもの」 が原義で、“起・木・貴・香・揮” などと同源です。


■明らか (あきらか)
「明るいさま」 をいいますが、これは 「直ぐなさま・素直」 が原義で、
「混迷することなく、すっきり整然としているさま」 を意味します。 ▶明るし 

 これは例えば、「まだ明るい昼間には、なぜか悪事や色事がしづらい」
 というような、万人に共通する心理をいうものと思います。


■暗と濁る蝕み (がとにごるむしばみ)
昼は明らかな人の気が、夜には 「闇に紛れて曲るさま」 をいいます。
ニゴル(濁る)は 「交じる・紛れる・まみれる」 が原義です。
この場合、ムシバミ(蝕み)は “暗と濁るさま” の換言です。


■陽陰の心に見る (あめのこころにみる)
「陽と陰の本質に見る・陽陰の本質に照らす」 という意です。 ▶心(こころ)


■上 (かみ)
ここでは 「上・陽・天」 を意味します。
天地創造の過程で 陽は上に昇って天となったため、陽=上=天 です。


■埴 (はに)
ここでは 「下・陰・地」 を意味します。
天地創造の過程で 陰は下に降って地となり、地より水と埴を生じたため、
陰=下=地=埴と水 です。


■地上 (しはかみ・しわかみ)
シハ/シワは シヰ(魄)の変態で、「下・地」 を意味します。
シハカミは 「地上(ちじょう)・天と地の中間・人の住む世界・この世」 をいいます。


味 (あぢ)
この場合は 「“天と地と地上” の本質」 をいい、すなわち
「陽と陰とその和合」、「魂と魄とその結合」、またそれが生む 「神の心と人の心」 を意味します。


■人の身に領る (ひとのみにしる)
「人間の身(=システム)に統べる」 という意です。 ▶身(み)

 これは 「人のシステムには陽と陰とその和合の本質が統合されている」、
 つまり 「人間は天地の縮図/コンパクト版」 だということです。

・常に思えよ 陽陰法を得て 身を治め 〈ホ17ー2〉
・人は天地 形取れり 〈ホ17ー9〉
・この四つを 陽陰 人に知れる 人の身の 〈ミ1〉

 

【概意】
日の巡りを常に尊んで重んじろよ。昼は人の心も明らかで、
夜は闇に紛れて曲るけれど、それも陽陰の本質に照らして考えるならば
天(陽) と 地(陰) と 地上(和合・中) の3つの相だといえる。
この本質 (陽と陰とその和合) を、“人” というシステムに統合している。

 

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 このみつお あわすかかみの やはやしろ たはたみおたす
 そのきみの よろのみはたの まつりこと
 をさむやすみの たみはやた やたみあまねく てらさんと
 やたのかかみと なつくなり

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 この三つを 合わす明暗見の “ヤ” はヤシロ “タ” は民を治す
 その君の 万の御機の 政事
 治む八隅の 民は八尺 ヤタミあまねく 照らさんと
 “ヤタのカガミ” と 名付くなり

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■この三つを合わす明暗見 (このみつおあわすかがみ)
“この三つを合わす” は 「陽と陰とその和合を統合する」 という意で、
その換言が “明暗見(かがみ)” ですが、明暗見にも3つの意が重なります。
 @ 人間: 陽と陰とその和合の3つを統合するシステム。
 A 心 : 魂と魄の結合が生むもの。霊。中子。  
 B 鏡 : Aを映す物。


ヤシロ (敬代・社)
この場合は 「上流の区分/階層」 の意で、「御上・中央政府・公・官」 をいいます。
ですから ヤカタ(▽敬方・▽上方) と同じです。


■万の機の纏り事 (よろのみはたのまつりごと)
「君主が国家を統べ治めること」 を “機織り” になぞらえて このように呼びます。
オオナヱゴト/ウナメゴト(大嘗事)の換言です。 ▶纏り事
万機(よろはた)、万の纏り(よろのまつり)、弥々の纏り(よよのまつり)、弥の纏り(よのまつり)
などとも呼ばれます。
 
 ★万の機 (よろのみはた)・万機 (よろはた)
 「万の数の杼投げによって織られるもの」 という意で、 ▶杼投げ
 ハタ(機:=織物)の美称ですが、「君主の国家統治」 に喩えられます。 ▶みはた(機)
 これを音読みしたのが バンキ(万機) だろうと思います。


■八隅の民は八尺 (やすみのたみはやた)
「八方の民の身丈は8尺」 という意かと思います。


■ヤタミ
2つの意味が重ねられていますが、いずれも 「民」 を指します。
1.8尺(ヤタ)の
2.シロ(御上・公・官)が ス(治す・養す・足らし助ける)


あまねく (遍く・普く・▽和ねく)

 

【概意】
この3つ (陽と陰とその和合) を合わす “明暗見” の
“ヤ” は シロ(御上・公・官)。“タ” は それが民を治す(ス)こと。
その君の万の機の纏り事に治める 八隅の民はヤタ(8尺)。
ヤタミをあまねく照らさんと、“ヤタのカガミ” と名づくなり。

 

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 なおみさのりの あちはひお ふかくまなひて ここにしるへし
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 なおミサ法の 味わひを 深く学びて 九々に知るべし
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■ミサ法 (みさのり)
ミサは ミス(見す)の名詞形で、「合わせ・和合」 が原義です。
ですから “ミサ法” は 「和の道」 「陽陰和る道」 の換言です。
陽陰の道妹背の道天地の法 などともいいます。


■味わひ (あぢはひ) ■味わふ (あぢはふ)
アヂ(味)+ハフ(▽食ふ) の名詞形で、ハフは ハム(食む)の変態です。
「味を見ること・本質を得ること」 をいいます。


■九々に・▽極に (ここに)
ココは 「九」 あるいは 「九九」 で、「九割方・九分九厘・ほぼ極まるさま」 を表すと考えます。
おそらく ゴク(極) の変態でしょう。
ですから “九々に” は 「極めて・至らせて」 という意となります。

 

【概意】
さらに “陰陽和合の法” の本質を深く学んで、極め知るべし。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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