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徹底解説ほつまつたえ講座 改訂版第8回 [2023.7.18]

第二巻 天七代 とこ酒の文 (3)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 あめななよとこみきのあや (その3)
 天七代 とこ酒の文 https://gejirin.com/hotuma02.html
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 ゐつよのかみは おおとのち おおとまえなり
 つのくゐは おおとのにゐて いくくいお とまえにあひみ
 つまとなす かれをはとのそ めはまえと やもつつきまて
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 五代の尊は オオトノチ オオトマエなり
 ツノクヰは 皇殿に居て イククイを 門前に会ひ見
 妻となす 故 男は “殿” ぞ 女は “前” と 八百続き全て
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■五代の尊 (ゐつよのかみ)
初代から四代目までの尊(=国君)を確認しておきましょう。

初代:クニトコタチ (ミナカヌシ+トホカミヱヒタメ8尊+キツヲサネ&アミヤシナウ11尊)
二代:クニサツチ    
 分割統治・中央集権制の導入
三代:トヨクンヌ     君/臣/民 の身分が発生
四代:ウビチニスヒヂ  男/女の性別が発生


■オオトノチ (皇殿内) ■オオトマエ (大門前) ■ツノクヰ ■イククイ
5代目の尊(国君)です。
ツノクヰが皇殿に居る時、宮の大門前でイククイと会見し、これを妻とします。
これが オオトノチ(皇殿内) と オオトマエ (大門前) の名の由来です。
またこれにより、男尊を “殿”、女尊を “前” と言い習わすようになりました。
したがって ツノクヰはオオトノチの別名、イククイはオオトマエの別名です。

ツノクヰ/イククイの語義は未解決ですが、“ツノ(角)” は “トノ(殿)” の
変態であるため、オオトノチ/オオトマエ と同じ意味の可能性があります。

 他文献は、ツノクヰ/イククイ オオトノチ/オオトマエ の親であるとします。


■八百続き全て (やもつづきまて)
八百(やも・やを)” は「多いさま・長いさま」を表す数です。
この意味を表す数は他にも、ヤソ(八十)、ヤチ(八千)、ヤヨロ(八万)、
ヤソヨロ(八十万)、ヤモヨロ(八百万)、ヨロチ(万千) などたくさんあります。
マテ(▽全て)は マチテ(▽全ちて)の短縮で、これは ミチテ(満ちて)の変態です。
ですから 「満ちて・至って・極まって・終って」 などの意となります。

 

【概意】
五代目の国君は、オオトノチとオオトマエの夫婦であった。
ツノクヰが皇殿に居る時、大門前でイククイと会見し、これを妻とする。
それゆえ以後 男尊を “殿”、女尊を “前” と言い習わすようになった。
この時代も長く続いて終了し、

 

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 むよのつき おもたるのかみ かしこねと
 やもおめくりて たみおたす
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 六代の嗣 オモタルの尊 カシコネと
 八方を恵りて 民を治す
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■オモタル ■カシコネ
日本を治める6代目の国君はオモタル&カシコネの夫婦尊でした。
他文献は 面足(おもだる)尊・綾惶根(あやかしこね)尊 などと記します。

 オモタルは  ヤオモ(八面)+タル(足る) の略で、ヤオモ(八面)は ヤモ(八方)と
 イコールです。したがって 「八方を足らす(恵む)尊」 という意でしょう。
 カシコネは カシコ(畏)+ネ(▽和) で、「畏き人に和す者・尊と対となる者」
 を表すのではないかと考えてます。


■恵る・▽巡幸る (めぐる)
現在の メグル(回る・廻る・巡る) には自動詞の意味しかありませんが、
ホツマの頃には他動詞の意味がありました。すなわち 「回す・めぐらす・
配る」 等の意です。そしてこれは 「恵む・ほどこす」 と同義となります。
用途は限定的で、「あちこち巡って恵む」 の意味で使う場合が多いです。

 夫婦の国君は天空を巡る日と月に擬えられます。日と月は昼夜
 空を巡りながら地を恵んでいますが、夫婦の国君も地を恵んで
 幸を運ぶ日と月だというわけです。それゆえ天皇の “みゆき” は
 “御幸・行幸” の漢字が当てられ、また “巡幸” とも呼ばれます。

 天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり 〈ホ7〉


■治す (たす)
ヲサメル(治める)と同じですが、タスは 「足す」 また 「助す」 で、
「足らし助けてほどよく調える」という原義です。

 

【概意】
6代目の嗣のオモタル尊は、カシコネと共に八方を恵みて民を治す。

 

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 をうみあつみの なかはしら ひかしはやまと ひたかみも
 にしはつきすみ あしはらも みなみあわそさ きたはねの
 やまとほそほこ ちたるまて およへともよほ つきこなく
 みちおとろひて わいためな
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 近江安曇の 中柱 東はヤマト ヒタカミも
 西はツキスミ あしはらも 南 阿波・ソサ 北は根の
 ヤマトホソホコ チタルまで 及べど百万穂 嗣子なく
 道 衰ひて わいため無
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■近江 (をうみ・あふみ)
「中央・中心」 を意味する地名で、ヤスカワ(▽和側)・アワ国 などの換言です。
場所は後代の近江と同じですが、アワウミ(▽和海・淡海 =琵琶湖)とは区別されます。

 オフ/アフ(合ふ)+ウム/フム(▽和む / 踏む) の同義語短縮 “オウム・アフム” の名詞形です。
 「釣り合うさま」 が原義で、釣り合う位置である 「中心・中央」 を意味します。
 ホツマは 「中心・中央」 を意味する場合には、おおかた “ヲ” の表記を用います。


■安曇 (あづみ)
アツム(集む)の名詞形で、「集中」 を原義とし、「壺・都」 を意味します。 ▶壺
滋賀県高島市に安曇川が流れますが、この辺りがオモタル&カシコネの都だったのかもしれません。


■中柱 (なかはしら)
建物の 「中央に最初に立てる柱」 のことで、後には “大黒柱” とも呼びますが、
この場合は 「国家の中軸」 を意味します。つまり 「都」 です。


■ヤマトヒタカミ
ヤマト(和) は 「合・間・和・収・内・中」 などの意を表しますが、
この場合は 「内地・本州」 を意味するのではないかと思います。
ヒタカミ(日高み)は 「日が上る方角・東」 の意で、この国の主がトヨケです。
現在の東北地方(青森県を除く)に当たります。


■ツキスミ (▽尽州・究州)
「九州」 の古名で、ツクシ(▽尽州・筑紫)とも呼ばれます。
ツキは “尽き” の意、スミは シメ(締め)・シマ(▽州・島)の変態で、
「限り・区切り・区分・区画」 を意味します。
ですから 「(日月の)尽きる地方=西の州」 という意です。


■あしはら (葦原・▽朝原)
アシは アス(▽合す・▽和す)という動詞の名詞形で、
ここでは 「治める・纏る」 などの意を表します。アシの変態が アサ(朝)です。
ハラ(原)は 「広がり・範囲・領域」 を表します。
このアシハラは 「御上が治める領・中央政府の統治下にある地」 を意味します。
この他、「中央政府国・朝廷」 を意味することもあります。


■阿波 (あわ・あは)
古くは ソアサ、伊予(いよ)と呼ばれていました。阿波はその別名です。
この時代の四国は まだ分割されていないため、阿波/伊予/ソアサは
「四国の全域」 を指します。
アワ(阿波)の名は、アワ歌 によって民の言葉が直ったことに由来します。

 ソアサ国 サクナギの子の イヨツヒコ
 歌に言葉を 習わせて 二名を求む アワツヒコ 〈ホ5〉


■ソサ
「紀州」 の別名です。
ソサは スサの変態で、「スサブ(荒ぶ進ぶ遊ぶ) 所」 の意と考えます。

 
■根 (ね) ■根の国 (ねのくに)
ネ(根)は ネノクニ(根の国)の略、ネノクニはまた コヱネノクニ/コシネノクニ(越根の国)の略です。
今の 「北陸地方」 で、福井県・石川県・富山県・新潟県 を含みます。
少し古い言い方だと、若狭・越前・加賀・能登・越中・越後です。


■ホソホコチタル・サホコチタル
語義は未解決ですが、現在の 中国地方 (=山陽+山陰) をいいます。
“ソコチタル” とも呼ばれ、“サホコ国” “チタル国” と略します。
また西中国(にしなかくに)と呼ばれる場合もあります。
辞書には 細戈千足国(くわしほこのちだるくに) と記されます。

 根の国とホソホコチタルの国は共に、イサナキの父アワナキが
 開拓した国であるため、この時点ではまだ両国の区別があまり
 明確でなく、サホコチタルは根の国の延長として扱われています。

 
■百万穂 (もよほ)
モヨ(百万)は 「1,000,000」 です。
ホ(穂)は 真榊が1年に伸ばす枝の長さ(=半寸)をいい、「年」 の同義語です。


■道 (みち)
単に “道” という場合、多くは アメナルミチ(陽陰和る道) をいい、
この場合は 「相反するものを調和する道・やわし治める道」 を意味します。
他にも “ヤマト(和)の道”  “ト(調)の道” など、多くの言い方があります。


■わいため (弁別)
「順番に巡ってゆくさま」 を原義とし、「順序・秩序・筋道」 などを意味します。

 

【概意】
近江の安曇を都として、東は本州ヒタカミも、西は九州の領も、
南は四国と紀州、北は北陸と中国地方にまで治めが及ぶも、
100万年を経ても嗣子が生れず、治める道の衰えて世に秩序無し。

 
 ミナカヌシ─天の八尊─地の十一尊─クニサツチ(2代)─トヨクンヌ(3代)┐
 ←…… クニトコタチ(初代) ……→                 │
                                  │
       ┌――――――――――――――――――――――――――┘
       │
       └ウビチニ
       (4代)├――――ツノクヰ
         スヒヂ  (5代)├――――オモタル
               イククイ  (6代)├ … (断絶)
                     カシコネ
 

―――――――――――――――――――――――――――――
 ときにあめより ふたかみに
 つほはあしはら ちゐもあき
 いましもちひて しらせとて ととほこたまふ
 ―――――――――――――――――――――――――――――
 時に天より 二尊に
 壺はあしはら 千五百秋
 汝 用ひて 領らせとて 経と矛 賜ふ
―――――――――――――――――――――――――――――
 
■天 (あめ・あま)
アム(▽上む)の名詞形で、「上・高み・中心」 などを原義とし、
この場合は 「御上・中央政府・都・皇」 を意味します。 ▶御上

 この時の暫定的な中央政府はヒタカミにありました。なぜ暫定的かと
 いえば、オモタル&カシコネに代嗣がなかったため、クニトコタチの
 皇統を受け継ぐ本来の中央政府が断絶したからです。その国家危機を
 支えたのはヒタカミ国主のトヨケ(斎名タマキネ)でした。
 トヨケは根の国主の息子タカヒトと、自分の娘のイサコを婚姻で結び、
 この夫婦を国家君主として新たな中央政府(皇統)を打ち立てるのです。


■二尊 (ふたかみ)
「イサナキ&イサナミ」 の夫婦君を指します。この二尊はアマテル君の両親であるため、
特に ミウヱフタカミ(御上二尊) と呼ばれる場合もあります。

 
■壺 (つぼ)
ツメ(詰め・集め)、ツモ(▽積)の変態で、「集積・集中・中心・要所」 などが原義です。
「都(みやこ)・大きな町」 などをいい、 略して ツ(都・津) です。
この場合は 地理的にも政治的にも日本の中心であった 「中国」 (なかくに) を指します。

 ★中国 (なかくに)
 中国は、クニトコタチより連綿と皇統を保ってきた中央政府の本領ですが、
 その皇統も6代目のオモタル&カシコネで断絶し、この時点では中国の主は不在と
 なっています。地理的には 「ヒタカミ・根の国・サホコチタルを除く本州」 です。


■あしはら (葦原・▽朝原)
アシは アス(▽合す・▽和す)という動詞の名詞形で、ここでは 「治める・纏る」 などの
意を表します。アシの変態がアサ(朝)です。ハラ(原)は 「広がり・範囲・領域」 を表します。
アシハラは この場合は 「中央政府の本領・朝廷」 を意味します。

 つまりこのアシハラも “中国(なかくに)” の換言であり、
 他文献には 葦原中国(あしはらのなかつくに) という表現も見られます。


■千五百秋 (ちゐもあき)
「中国の全1500村の総収穫高」 をいいます。 ▶中国(なかくに)

 ★千五百 (ちゐも)
 23アヤで説かれますが、「中国に存在する村の総数」 です。

 ★秋 (あき)
 アク(上ぐ)の名詞形で、「あがり・収穫・生産高」 などが原義です。


■領らす (しらす)
シル(知る・領る)+アス(▽合す・▽和す) の短縮で、
「我が物とする・支配する・治める・調える」 などの意です。


■経と矛 (ととほこ)
ト(▽経)は タマ(▽尊・瓊)と同義で、「尊いもの・上に置くもの・優先するもの」 を
原義とし、具体的には 「経(たて)・法」 をいいます。そのモノザネがタマ(珠)です。
ホコ(矛)は 「懲戒力・警察力」 を象徴するモノザネです。

 したがって “経と矛 賜ふ” は、二尊が 法を定めて施行する権利と、
 それに従って裁き・懲戒する権利を授かったことを意味し、すなわち
 それは中央政府の君 (国家君主) に認定されたことを示すものです。

 

【概意】
時にヒタカミの中央政府より、イザナギとイザナミの二尊に、
「中央政府の中国は千五百村の収穫がある。これを用いて汝が治めよ」 と、
“経と矛” (法と警察力の行使権) を授ける。

 
 ホツマの23アヤでは次のように語られています。
 天の尊 嗣なく政 尽きんとす 故イサナギに 宣給ふは
 「響あしはらの 千五百秋 瑞穂の田あり 汝 行き 領すべし」 とて
 経と矛と 授けたまわる  〈ホ23〉

 

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 ふたかみは うきはしのゑに さくりうる
 ほこのしつくの おのころに みやとのつくり
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 二尊は うきはしの上に さくり得る
 祝のしづくの オノコロに 宮殿造り
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■うきはしの上 (うきはしのゑ)
ウキハシは ウク(受く・請く)+ハス(▽合す・▽和す) の名詞形で、
ウケアイ(請合い)ウケイ(誓約) と同じです。「約束・契約・協力」 を意味し、
この場合は 「根の国とヒタカミ国の協力」 をいいます。
イザナギは根の国主の子、イザナミはヒタカミ国主の娘でした。
二人を結婚させて夫婦の国君とし、それを以て中央政府を復活しようという協力です。
この 「協力の上」 に二尊は立脚しています。


 クニトコタチ─クニサツチ┐
   (I)     (II)  │
 ┌───────────┘
 ├トヨクンヌ─ウビチニ┬ツノクヰ─オモタル
 │ (III)    (IV) │  (V)   (VI)   
 │          │           
 │          └アメヨロツ┬アワナキ──イサナキ
 │          (養子)↑  └サクナキ    │
 │             └─────┐     │
 ├ハコクニ─東のトコタチ┬アメカガミ─アメヨロツ  │
 │      (初代)  │             │
 └ウケモチ       └タカミムスビ─トヨケ─イサナミ
               (2〜4代)   (5代)


■さくる (決る・刳る)
サクルサカル(盛る)の他動詞形で、シャクル(決る・刳る)の変態です。
「上げる・すくう・栄す」 などの意を表します。
根とヒタカミの2国間の協力の上に立脚する二尊は、和の道が衰えて
秩序の失われた国家をすくい上げるのです。


■祝のしずく (ほこのしづく)
ホコ(▽祝)は ホグ(祝ぐ)の名詞形で、ホギ(祝・寿)の変態です。
ここでは 「成功・成就」 などを意味します。
シヅク(滴)は「結んだもの・結果・成果・果実」などをいいます。

 ★しづく (滴・)
 シツ(▽親つ・▽執つ)+ツク(付く) の短縮 "シツク" の名詞形です。
 「合い/合わせ・結び」 が原義で、水とは本来無関係です。
 辞書は “水や液体のしたたり落ちる粒” と説明しますが、
 「(落ちたり流れたりせずに) 結んで形となったもの」 をいいます。


■オノコロ
ここでは 国家の中心である 「中央政府・都」 を意味します。
オノコロについてはホツマの18アヤで説かれます。

 

【概意】
二尊は、根国とヒタカミ国の協力の上に立脚して、
和の道が衰えて秩序の失われた国家をすくい上げ、
その成功の果実として得た都に、中央政府の宮殿を造り、

 

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 おおやまと よろものうみて
 ひとくさの みけもこかひも みちなして
 わいためさたむ いさおしや
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 大ヤマト 万物生みて
 人草の 食も籠交ひも 道 成して
 わいため定む 功や
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■大ヤマト・大和・▽大日本 (おおやまと)
オオ(大)は オフ(覆う)の名詞形で、「ヤマト(和)の道が覆うすべての国」、
今風に言えば 「日本国家・大日本国」 です。

 
 ★ヤマト (和・大和・倭・▽日本)
 ヤマト(和)は ヤマツという動詞の名詞形で、ヤマツは ヤワス(和す)の変態です。
 「和合・調和」 を原意とし、「合・間・和・収・内・中」 などの意を表します。
 ヤマトは多くの意味に用いられるのですが、地名としてのヤマトは、
 元来は 最初に和の道が通った ナカクニ(中国) の別名でした。
 そして後に国家全域に和の道が通るに及んで、日本の国号となります。


■万物生む (よろものうむ)
中央政府の皇統がオモタル&カシコネで断絶した後の、長き混乱の時代の中で、
社会のシステムはダウンし、人々の生活も その心も獣と化し、すべてが無の状態に帰します。
時に皇統を受け継いだ二尊は 再び無から万物を生み出さねばなりませんでした。

 ★万・萬 (よろ)
 ヨル(揺る)の名詞形で、「揺れ動くさま」 を原義とし、
 「多種多様・たくさんあるさま・いろいろあるさま」 を意味します。イロ(色)の変態です。


■人草 (ひとくさ)
“人” は 「君と臣」 をいいます。
“草” は アオヒトクサ(青人草/青人種) の略で、「民」 の別称です。
ですから “人草” は 今風に言えば、人民(じんみん)・臣民(しんみん) です。

 君と臣は一人前の 「人」 ですが、民は アオヒトクサ(青人種) と呼び、
 「いずれ人に育つ種(たね)・半人前」 と考えられています。


■籠交ひ (こかひ・こかい・こかゐ)
コカヒには複数の意味がありますが、ここでは 「衣服をつくること」 をいいます。
コ(籠)は 「囲み・包み」 が原義で、「籠・繭・衣」 などをいい、
カヒ(交ひ)は 「まじえ・結い・編み・織り」 などの意です。


■わいため (弁別)
「順番に巡ってゆくさま」 を原義とし、「順序・秩序・筋道」 などを意味します。

 

【概意】
全国に万物を生み、人民の衣食をまかなう道を示し、
再び秩序を定めるという功を打ち立てるのである。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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