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徹底解説ほつまつたえ講座 改訂版第118回 [2024.2.15]

第二三巻 衣定め 剣名の文 (1)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 みはさだめつるぎなのあや (その1)
 衣定め 剣名の文 https://gejirin.com/hotuma23.html
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 みはさだめつるぎなのあや
 あめつちも うちともきよく とほるとき
 みちもののへら しらゐしに つるきおかみて ものぬしか
 きるもたからか ゆえおこふ ときにあまてる みことのり

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 衣定め 剣名の文
 天地も 内外も清く 通る時
 三千モノノベら 領居州に 剣 拝みて モノヌシが
 “切るも宝” が 故を乞ふ 時に和照る 御言宣

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■衣定め (みはさだめ)
「服装に関する規定」 です。 ▶みは


■天地も内外も清く通る時 (あめつちもうちともきよくとほるとき)
「陽陰の調和が完全に達成される時」 という意で、アマテルの重要な教えが
アマテル自身によって語られるアヤの冒頭に置かれる 賛美感謝の前書き の1つです。

 “天地”は 「陽陰と、その和合/調和」 を意味します。
 “内外”
中節を巡る 「」 と、を巡る 「」 を表し、“天地” の言い換えです。
 “清く” は 「濁りなく・純粋に・完全に」、”通る” は 「行き届く・達成される」 の意です。


■三千モノノベ (みちもののべ)
「中央政府に直属するモノノベ」 をいう場合の慣用的な表現で、
三千彦(みちひこ)、三千臣彦(みちとみひこ)、三千の守(みちのかみ)、三千司(みちつかさ)
などとも呼ばれます。

 「ヤス国(=中国)の 全1500村の民を治める3000人のモノノベ」 が起源で、
 そのことはこのアヤで語られます。


■領居州 (しらゐし)
領州(しらす)領庭(しらには) の換言です。
この場合は アマテルが都とする 「イサワの宮廷」 をいいます。

 シラ(▽領)は シル(領る)の名詞形で、「治め・纏り・政」 を意味します。
 ヰシ(▽居州)は ヰス/イス(▽居す・▽結す)の名詞形で、椅子(いす・いし)の変態です。
 「居所・据える所・ありか・場所・区画」 などを意味します。
 ですから 「治めの区画・纏りの庭・政所・宮廷・朝廷」 などをいいます。


■剣 (つるぎ)
三種宝の1つである 「ヤヱ垣(やゑがき)の剣」 をいいます。
この剣の意義を説明することが、このアヤの目的です。


■モノヌシ
オオモノヌシの略で、ここでは2代目のクシヒコ (=ヲコヌシ) を指します。

     イサナキ ┌ソサノヲ─オホナムチ (初代モノヌシ)
       ├──┤       ├───クシヒコ (2代)
    ┌イサナミ └アマテル──タケコ    │
    │                  ├──コモリ(斎名ミホヒコ) (3代)
    │                  │
 トヨケ┴ヤソキネ──タカキネ───────ミホツ姫


和照る御言宣 (あまてるみことのり)

 

【概意】
衣定め 剣名の文
陽陰の調和が完全に達成される時、
三千モノノベらが イサワの宮廷にヤヱ垣剣を拝んだ折、
モノヌシが どうして “切るも宝” と言うのか、その理由を乞う。
時に和して照らす御言宣。

 

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 つるきのもとは あめのほこ くにとこたちの よにはまた
 ほこなきゆえは すなほにて のりおまもれは ほこいらす

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 剣の元は 和の矛 クニトコタチの 代にはまだ
 矛なき故は 素直にて 和を守れば 矛 要らず

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■和の矛 (あめのほこ) ■逆矛 (さかほこ) ■和の逆矛 (あまのさかほこ)
アマノサカホコ(和の逆矛)の略です。少し後に説かれますが、
「和(あめ)の教えに逆(さか)らう者を綻(ほこ)ろばす物」 という意です。
“和の教え” は トの教え と同じです。

 ★和 (あめ・あま)
 アム(編む・▽和む) の名詞形で、「和合・中和・調和」 などの意です。
 また 和合する宿命を持つ、正反対の性質のペアを 陽陰(あめ・あま) といいます。


■クニトコタチの代 (くにとこたちのよ)
クニトコタチの時代」 という意で、「トコヨ」 と同じです。 ▶代
この場合は最広義のクニトコタチで、ウビチニ&スヒヂより前の、
まだ人類に 「男女の性別がなかった時代」 をいいます。


素直 (すなお)

■和 (のり)
ノル(▽和る・乗る)の名詞形で、「合・和・調和」 を意味します。

 「典・範・法」 の意に解釈したくなりますが (原義は同じです)、それらがあっての
 “矛”(=懲罰)であるため、矛が要らなかったのなら、法も要らなかったはずです。
 それゆえここでは  「素直さゆえに、人々は自然に和を守った」 の意に解しています。

 

【概意】
剣の元は、和の教えに逆らう者をほころばす “矛” であった。
クニトコタチの時代には まだ矛が無かった理由は、
人の心が素直で 自然に和を守るため、矛は必要なかったのである。

 

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 こころゆきすく かみのよは ますよろとしの ことふきも
 うひちにのよは おこそかに かさるこころの
 ことふきも ももよろとしそ

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 心ゆきすく 上の代は 千万年の 寿も
 ウビチニの代は 厳かに 飾る心の
 寿も 百万年ぞ

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■ゆきすく (▽結き直く)
ユク(▽結く)+スク(結く・好く・直ぐ) の連結で、ユクは ユキ(靫)の母動詞です。
両語とも 「合う・結ぶ・収まる」 などが原義で、ここでは 「和し収まる・直り調う・調和する」
などの意を表します。ですから “心ゆきすくさま” は 「素直」 の換言です。

 
■上の代 (かみのよ)・上代 (かみよ)
今に言う 上代(じょうだい) で、「先の時代・古き時代」 を意味します。
この場合は ”クニトコタチの代” の換言です。


■千万年 (ますよろとし)
マスは 「100,000」、ヨロは 「10,000」 を表す数詞ですから、まともに取れば
「10億年」 となりますが、これは数の巨大さを誇張した表現でしょう。
ミカサに クニトコタチの齢は 百ハカリ節=10,000,000年 と記されているため、
ここでは “マスヨロトシ” に 「千万年」 と当てました。

 アメナカヌシの 百ハカリ節 ・・・ トコタチの 代は変わらず 百ハカリ節 〈ミ4-3〉


■寿 (ことぶき)
コトブク(寿く) の名詞形で、「上がり・栄え・熟成・達成・祝い」 などが原義です。
ここでは 「寿命」 を意味します。


ウビチニ (▽泥因)

■厳かに飾る心 (おごそかにかざるこころ)
今風に言えば 「見栄を張る心・虚栄心」 です。

 ★厳か (おごそか)
 オコス(熾す)カ(▽如・▽然) で、オコスは 「高める・勢いづける・栄す」 などが原義です。

 

【概意】
心が調和する太古の時代には千万年の寿命も、
ウビチニの代は 虚栄の心により 寿命も百万年ぞ。

 

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 おもたるの たみときすくれ ものうはふ
 これにおのもて きりをさむ おのはきおきる うつわゆえ
 かねりにほこお つくらせて ときものきれは よつきなし
 たみのよわひも やよろなれ

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 オモタルの 民 鋭きすぐれ 物奪ふ
 これに斧以て 切り治む 斧は木を切る 器ゆえ
 金錬りに矛を 造らせて 鋭き者切れば 代嗣無し
 民の齢も 八万均れ

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オモタル

■鋭きすぐる (ときすぐる)
「鋭利/利発が過ぎる」 という意味です。 ▶鋭き
これは17アヤに出てきた “利き過ぎねぢけ”  “鋭き過ぎ” の換言です。

・荒猛心 子に求め 利き過ぎねぢけ よこしまの ハタレとなるぞ 〈ホ17-4〉
鋭き過ぎて生る ハタレども それ試みに 技をなせ 〈ホ17-8〉

 ★すぐる (▽過ぐる・勝る・優る)
 もともとは スグ(過ぐ) の連体形で、「越す・超える」 が原義です。


■金錬り (かねり) ■金錬人 (かねりと)
カネ(金)+ネリ(錬り) の短縮で、「金属の精錬/加工をする人」、つまり 「鍛冶屋」 です。
カネリト(金錬人)、ヰモノシ(鋳物師) とも呼ばれます。

 ★金 (かね)
 キヌ(絹)キラ などの変態で、「光るさま・光沢のあるもの」 をいうと考えてます。
 キン(金)は “カネ” の変態でしょう。


■鋭き者 (ときもの) ■鋭き (とき)
「鋭利/利発が過ぎた者・その結果 逸脱した者」 をいいます。
トキ(鋭き)と略されることが多いです。 ▶鋭き


■代嗣無し (よつぎなし)
これは 「鋭利が過ぎた民を次々に切ったら、次代の子供がいなくなった」 という意で、
オモタルに代嗣が無かったことと直接の関係はないとは思うのですが ・・・
しかしながら 「その報いを受けてオモタルに代嗣が生れなかったのだ」 と、
暗に言ってるような気もします。

 妬み煩ふ 胸の火が 折霊と生りて 子種噛む 〈ホ16ー6〉


■八万均れ (やよろなれ)
民の寿命も 「均して8万年」 となったということです。

 その後も増減の波を繰り返しながら、人の寿命はずっと減少への道を
 たどったようです。また君・臣・民の身分によって寿命の長さに違いが
 あったとホツマはいいます。

 ・今の代は ただ二万年 生き均るる 食 重なれば 齢なし 〈ホ1-2〉
 ・万の齢の 尊・彦 やや千節保つ 民も皆 クニトコタチの 後末なり 〈ホ14-2〉
 ・人草の食 繁るゆえ 生れ賢しく 永らえも 千齢は百齢と 萎り枯れて 〈ホ27〉

 

【概意】
オモタルの時代の民は、鋭利が過ぎて物を奪うようになる。
これに対して斧を以って切り治めるが、斧は木を切る道具ゆえ
金錬りに矛を造らせて、鋭き者を次々に切れば代継ぎがいなくなり、
民の寿命も平均8万年となる。

 

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 けにもよれとも むかしあり よろすすもへり
 もとせより またよろにます これすすお むすふかみなり
 おそるるは なつみときれは こたねたつ けにつつしめよ

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 食にもよれども 昔あり 万鈴も減り
 百年より また万に増す これ鈴を 結ぶ上なり
 恐るるは 泥み人切れば 子種絶つ げに謹めよ

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食 (け)

鈴・▽寿 (すず)

■これ
素直だったり、飾ったりする 「人の心・心の状態」 をいいます。


■鈴を結ぶ上 (すずおむすぶかみ)
“鈴” は 「齢・寿命」、“結ぶ” は 「形とする・編む・生む」 などの意です。
“上” は 「上位/上流/源流にあるもの・本質・支配的なもの」 をいいます。
ですから 「寿命を結ぶ源・寿命を左右する根本要因」 という意です。


■泥み人 (なづみと)
ナヅム(泥む)+ト(人) で、ナヅムは 「交じる・まみれる・紛れる」 が原義です。
ですから 「有罪/無罪が紛らわしい人・容疑を確定できない人」 という意です。


■子種 (こだね)
この場合は 「子を生む種」 である 「親」 を意味します。


げに (▽如に・▽然に・実に)

つつしむ (謹む・慎む)

 

【概意】
食にもよれども、昔あった万年の寿命も減り、
百年ほどになったかと思えば、また万年に増えたりもする。
人の心は 寿命を支配する根本要因なのである。
恐れるのは、容疑があるというだけで人を切ったなら、
いたずらに子を生む種を絶ってしまうということである。
そのことに しかと心いたせよ。

 

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 あめのかみ つきなくまつり つきんとす
 かれいさなきに のたまふは とよあしはらの ちゐもあき
 みつほのたあり なんちゆき しらすへしとて
 ととほこと さつけたまわる

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 天の尊 嗣なく政 尽きんとす
 故イサナキに 宣給ふは 「“響あしはらの 千五百秋”
 瑞穂の田あり 汝行き 領すべし」 とて
 経と矛と 授け賜る

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■天の尊 (あめのかみ)
このアメ(天)は 「タカマ御上・中央政府」 をいいます。
ですから 「中央政府の君・国家君主」 を意味し、この場合は オモタル&カシコネの夫婦です。


政・纏り (まつり)
ここでは 「国家の纏り・国家統治」 をいいます。


■響あしはら (とよあしはら)
「八方に響いて恵む朝廷の領」 という意で、中国(なかくに)の別名です。 ▶響 ▶あしはら


千五百秋 (ちゐもあき)

瑞穂 (みづほ)

経と矛 (ととほこ)

 

【概意】
天の尊には嗣子が無く、国家の統治も尽きようとしていた。
それゆえ <トヨケ尊が> イサナギに宣給うは、
「朝廷領は “響あしはらの千五百秋” と歌われるほどの収穫の田がある。
汝は行きてそれを領すべし」 とて、経と矛と授け賜る。

 

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 とはをして ほこはさかほこ ふたかみは これおもちひて
 あしはらに おのころおゑて ここにおり
 やひろのとのと なかはしら たててめくれは
 おおやしま とふるまことの とのをしゑ

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 経は押手 矛は逆矛 二尊は これを用ひて
 あしはらに オノコロを得て ここに降り
 ヤヒロの殿と 中柱 立てて恵れば
 大八州 通る真の トの教え

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■経はヲシテ (とはをして)
ヲシテは ここでは 「調和を維持するための言葉・文」 をいい、つまり 「法」 です。
ですから 「経とは法である」 という意味です。 ▶ト


■逆矛 (さかほこ)
アマノサカホコ(和の逆矛)の略です。
「ヲシテ(法)にらう者をほころばす器」 をいい、これは 「懲戒」 を意味します。


オノコロ
ここでは 「周囲を和して恵む中心」 の意で、「タカマ・中央政府・都」 をいいます。
これは 主が不在となった旧朝廷国の中国(なかくに)に、二尊が新たに建てた
オキツの宮/オキツボの都を指します。


ヤヒロの殿 (やひろのとの)

■中柱立てて恵る (なかはしらたててめぐる)
「中柱を立てて、その周囲を巡って世を恵む」 という意味です。  ▶中柱 ▶恵る

 アメミヲヤの “初の一息” により 混沌たる泡泥に回転が生じて、天地創世が始まります。
 その “泡泥の巡れる中の実柱” になぞらえたのが、ヤヒロの殿に立てた “中柱” です。
 二尊はこの柱を回り、2人が出くわす時に “天のアワ歌” を歌い、万物を再生します。

 ・二尊は うきはしの上に さくり得る 祝のしづくの オノコロに 宮殿造り
  大ヤマト 
万物生みて 人草の 食も籠交ひも 道 成して〈ホ2-3〉
 ・下りて共に とつぎして 実柱回り アワ歌を 詠みてオノコロ 
万物を生みし 〈ホ18-1〉
 ・二尊の 天のアワ歌に 国を生み 地のアワ歌に 音声和る 〈ミ1-4〉


大八州・大八洲 (おおやしま)
オオは オフ(覆ふ) の名詞形、ヤシマは ヤスミ(八隅)の変態です。 ▶ヤシマ
ですから 「八隅を覆うさま」、つまり 「国家全域・全国」 を意味します。

   
■真のトの教え (まことのとのをしゑ) ■真ト道 (まとみち)
「調和の本質の教え・調和の基本の教え」 という意です。 ▶トの教え
真トの教え(まとのをしゑ) と略され、真ト道 (まとみち)とも呼ばれます。

 ★真 (まこと・ま)
 マク(巻く)+コツ(▽越つ) の短縮 “マコツ” の名詞形で、コツは コス(越す)の変態。
 両語とも 「回る・行き来する・還る・回帰する」 が原義です。
 ですからマコトは 「回帰する所・源・中心・本質・髄」 などを意味し、ココロ(心)
 モトオリ(回り)
サネ(核・実) などと同義です。
 マカ(摩訶)、マッカ(真っ赤)、マ(真) などと略します。

 

【概意】
経は法。矛は懲戒。
二尊はこれを用いて旧朝廷領に中央政府を得て、ここに降り、
ヤヒロの殿と中柱を立てて巡り、<万物を再生して> 民を恵めば、
調和のエッセンスの教えが国家全域に通る。

 

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 ちゐものあしも みなぬきて たとなしたみも にきはえは
 ゐやまととふる やまとくに まとのをしゑは のほるひの
 もとなるゆえに ひのもとや しかれとやまと なすてそよ

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 千五百の葦も みな抜きて 田となし民も 賑わえば
 ヰヤマト通る ヤマト国 マトの教えは 昇る日の
 もとなる故に “日の本” や 然れどヤマト な棄てそよ

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■千五百の葦もみな抜く (ちゐものあしもみなぬく)
「中国の千五百村の田に繁茂する雑草を抜くこと」 をいいます。
枕詞 “あしひきの” の意味の一つはこれです。

 中央政府の皇統がオモタル/カシコネで途絶えた後、政治不在が長く続いたため、
 民心も土地も荒廃し、田畑はさながら葦原のように雑草が繁茂する状況でした。
 二尊はここに調和の道を敷き民の心を和します。すると民は雑草を引き抜き始め、
 田畑を甦らせたのです。


■ヰヤマト・イヤマト (弥真ト・▽弥真調・▽弥和)
ヰヤ(弥)マト(=真のト・調和の本質) で、「調和の本質が成長発展したさま」 をいい、
「いよいよの調和・大いなる和・和の真髄」 などの意です。
ヲヤマト(大和)、モヤマト(▽最和) とも呼ばれます。


■ヤマト国 (やまとくに:弥真ト国・▽弥真調国・▽弥和国)
このヤマトは ヰヤマトの短縮音で、「いよいよの調和が通った国」 という意です。
はじめは 「中国」 に付けられた新名でした。 ▶ヤマト

 禊に民の 調いて イヤマト通る 葦引きの 千五百の生田の 瑞穂成る
 マトの教えに かかんして のんアワ国は てん
ヤマト 〈ホ5ー4〉


マトの教え (まとのをしゑ:真トの教え・▽和の教え)


■昇る日の本 (のぼるひのもと)
“昇る日” は 「日の出・夜明け・発展の始まり」 を意味します。
ですから 「国の夜明けの源・国の発展の原動力」 という意です。そしてそれは
「マトの教えを通すこと」 すなわち 「調和のエッセンスを通すこと」 であったわけです。


■日の本 (ひのもと)
“昇る日の本” の略で、“ヤマト” の換言です。「発展の始まりのもと」 の意で、
当初は、最初にマトの教えが通った 「中国」 に付けられた新名でした。
その後マトの教えが大八州に通るに至って 我が国の国号となります。

 

【概意】
千五百の村の葦もみな抜いて田となし、民も賑わえば
ついにヰヤマト(=和の真髄)が通る。そのゆえに “ヤマト国”。
マト(=調和の基本)の教えは国の発展のもとなれば、“日の本” や。
しかれどヤマトの名は棄てるなよ。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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