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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第47回 [2023.9.20]

第九巻 八雲打ち 琴つくる文 (5)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 やくもうちことつくるあや (その5)
 八雲打ち 琴つくる文 https://gejirin.com/hotuma09.html
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 もろかみはかり そさのをか こころおよする しむのうた
 みのちりひれは かはきえて たまふをしては ひかはかみ
 はたれねおうつ いさおしや そこにもとゐお ひらくへし

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 諸守諮り ソサノヲが 心を寄する シムの歌
 実の塵 放れば 曲 消えて 賜ふヲシテは ヒカハ尊
 「ハタレ根を打つ 功や そこに基を 開くべし」

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■シムの歌 (しむのうた:▽統の歌)
次の歌をいいます。

 上下に振る 吾が実のかさゆ シムの幹 三千日挟まで あらぶるおそれ 〈ホ9-3〉


■実の塵放る (みのちりひる)
ミノチリ(実の塵) は 「心の逸脱・心の曲り」 という意で、
“シムの歌” の中の ミノカサ(▽実の曲) の換言です。
ヒル(放る・簸る) は 「放つ・離す・除く・排出する」 という意です。
ですから 「心の曲りを除く」 という意になります。

 ★塵 (ちり)
 チル(散る) の名詞形で、「離れ・逸れ・外れ・逸脱・曲り」 などが原義です。

チリヒル(塵放る) というフレーズはどうか記憶しておいてくさだい。
はるか後の事になりますが、「あー そうか!」 と思う時がやってきます。


曲 (かは・かわ)

ヲシテ (押手)
 
■ヒカハ尊/ヒカワ尊 (ひかはかみ/ひかわかみ)
「曲り/汚穢/塵 を除き去った尊」 という意です。

 ★ヒカハ・ヒカワ (▽放曲・▽簸曲)
 ヒ(放・簸)+カハ/カワ(▽曲) で、ヒ は ヒル(放る・簸る) の名詞形です。
 「曲り/汚穢/塵を 除き去ること」 を意味し、曲り/汚穢/塵 は次の2つがあります。
  (1) ソサノヲ自身の心の曲り (=実のかさ・実の塵)
  (2) ヒカワ の地に屯する汚穢 (=ハタレ・オロチ)

 氷川神社 (ひかわじんじゃ)
 武蔵国足立郡。埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407。 
 現在の祭神:須佐之男命


■ハタレ根 (はたれね)
「ハタレの根源」 という意で、サホコ国のマスヒト アメオシヒ と、それに群がる
シラヒト・コクミ、またその裏で糸を引く オロチら (モチコ・ハヤコ) をいいます。


基 (もとゐ)
モトオリ(回り・廻り) と同じです。
「回帰する所・源・中心・本拠」 などを意味します。

 

【概意】
諸守は、ソサノヲがその心を寄せた “シムの歌” を議り、
心の曲りを払って罪は消えたと判断。君より “ヒカハ尊” の称号を賜い、
「ハタレの根を打つ功や。そこに本拠を開くべし」 と、



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 やゑかきはたも たまはれは ふたたひのほる
 あめはれて うやまいもふす くしひより
 すかはにきつく みやのなも くしいなたなり
 さほこくに かえていつもの くにはこれ

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 八重垣機も 賜はれば 再び上る
 陽陰晴れて “敬い詣す 貴日” より
 清郷に築く 宮の名も “クシイナタ” なり
 サホコ国 代えてイヅモの 国はこれ

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■八重垣機・八重垣旗 (やゑがきはた)
ヤヱガキ は 「モノノベ」 の別名、ハタ(機) は 「結い・編み・束ね」 を意味します。
ですから 「モノノベを結い束ねる者・モノノベの主」 という意です。
この モノザネ として 「機」 あるいは 「旗」 を賜ったものと思います。

 ★八重垣・▽汚穢垣 (やゑがき)
 「国家を汚穢から守る垣」 という意で、「モノノベ」 の別名です。 ▶八重
 (これについては23アヤで詳しく説明されます)

 ★モノノベ・モノベ・モノフ・モノ (▽模の侍・物部)
 トミ(臣)カミ(守)ツカサ(司) の別称で、「公務員・役人・官吏」 をいいます。
 武官に限りません。 ▶モノ

「モノノベの主」 のモノザネとしての “旗” は、後には “剣” に代わり、
その職名も 「八重垣の臣・垣臣・剣臣・モノヌシ」 などと呼ばれるようになります。


■再び上る (ふたたびのぼる)
これは罪人として下民の身分に落とされたソサノヲが、
再び臣として皇宮に上り、君に仕えることをいいます。

 以後ソサノヲは、領主としてサホコの国を知行すると同時に、
 その身は中央政府に置いて、モノノベの主としての職務を執ることになります。


陽陰晴る (あめはる)

■敬い詣す (うやまいもふす)
「敬って参上する」 という意です。この モフスモフヅ(詣づ) の変態で、
「(上位者の所へ) 上る・参る・参上して仕える」 ことをいいます。


貴日・貴霊 (くしひ・くしい・くしゐ・くしみ・くしひる)
「貴い日の神霊」 の意で、アマテル を指します。


■清郷 (すがは・すがわ)
スガ(清)+ガハ/ガワ(側・▽郷) の短縮で、「直き区画・清き区画」 の意です。
これはおそらく ヒカハ(▽卑郷) の反対語で、「汚穢が払われた後のヒカワ」 を意味します。
 
 ★清・▽直・▽健 (すか・すが)
 スグ(直ぐ) の名詞形で、「まっすぐ・曲り/偏りのないさま・調和するさま」 を表します。
 “スカッと爽やか” の スカ もこれで、また スギ(杉)、“健やか” の スコ は変態です。

 須我神社 (すがじんじゃ)
 島根県雲南市大東町須賀260。
 現在の祭神:須佐之男命、稲田比売命、清之湯山主三名狭漏彦八島野命


■クシイナタ (▽貴日向)
クシイ+イナタ で、クシイは クシヒ(貴日) の変態、イナタ は ヒナタ(日向) の変態です。
ですから 「貴い日の神の光が照らす所・アマテル神の恵みを受ける所」 という意味です。
以後この宮が ミヤヅの宮 に代わり、イヅモ国 (旧サホコ国) の政庁となります。

 熊野大社 (くまのたいしゃ)
 出雲国意宇郡。島根県松江市八雲町熊野2451番。
 現在の祭神:櫛御気野命 (くしみけぬのみこと)
 <筆者注> クシミケヌ の、クシミ は クシヒ(貴日) の変態。ケ(供) は 「供の者・臣」。
      ヌ(野)
は 「地・国」 の意。よって 「貴日の臣が治める国・イヅモ国」 を意味します。
      “貴日の臣” とは ソサノヲ を指します。


■イヅモ (▽日詰・出雲)
これまでの “イヅモ” とは意味が異なります。
この場合は イ(▽日)+ツモ(▽詰・▽集) で、イ は クシイ(貴日) の略です。
ツモ は ツム(詰む・集む) の名詞形で、「詰め寄る・付く・侍る・仕える」 などの意。
ですから 「貴日に仕える者 (=ソサノヲ) の国」 という意で、“クシミケヌ” と同義です。

 

【概意】
八重垣旗 (モノノベの主の証) も賜われば、再び都に上る。
陽陰晴れて “敬い侍る貴日” より、清郷に築く宮の名も “クシイナタ” なり。
サホコ国を改めて イヅモの国 というはこれ。



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 あめのみちもて たみやすく みやならぬまに
 いなたひめ はらめはうたに やくもたつ いつもやゑかき
 つまこめに やゑかきつくる そのやゑかきわ

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 陽陰の道以て 民やすぐ 宮 成らぬ間に
 イナタ姫 孕めば歌に 『八雲直つ イヅモ八重垣
 妻籠めに 生え画造る その栄え堅磐』

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陽陰の道・和の道 (あめのみち)
「陽陰と その和合の道」 が原義ですが、この場合は 陽陰=日月 で、
「日月が天が下を和す道」 を意味するものと思います。

 天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり 〈ホ7-4〉


■やすぐ (和ぐ・安ぐ)
ヤス(▽和す)+スグ(直ぐ) の短縮で、「和して直る/直す・健やかに調う/調える」 などの意で、
ヤスム(安む)・ヤスブ(安ぶ)・ヤワス(和す)・ヤスラグ(安らぐ) などの換言です。

 つまりソサノヲは、アマテルの 道なす歌 の意を悟り、
 日月が天が下を和す如くに、イヅモの領民を和し調えたということでしょう。


イナタ姫 (いなたひめ)
ソサノヲ の妻です。


■八雲直つ (やくもたつ)
「汚穢隈を直す」 という意で、“イヅモ” にかかります。 ▶八雲 ▶直つ(たつ)
汚穢隈というのは、次の2つです。
1.ソサノヲ自身の心の穢れ (=実のかさ実の塵)
2.ヒカワの国に屯する汚穢 (=ハタレ・オロチ)
“八雲直つ“ は 換言すれば、ヒカハ(▽放曲・▽簸曲) です。


■イヅモ八重垣 (いづもやゑがき)
「貴日(=アマテル) に仕えるモノノベの主」 という意です。
これは 八重垣機 を賜った ソサノヲ自身 を指します。

 イヅモ は 「貴日に仕える者」 の意。ヤヱガキ は 「国家を汚穢から守る垣」 という意で、
 モノノベ の別名ですが、ここではその主を表します。


■妻籠め (つまごめ)
「妻の身籠り(妊娠)」 の意と、「妊娠した妻を籠らせる所」 の
2つの意をかけているように思います。


■生え画 (やゑがき)
ヤヱ(▽生え)+カキ(垣・▽限・▽画) で、ウブヤ(産屋) の換言です。
ヤヱ は ハヱ(生ゑ) の変態で、また 赤子の別名 ヤヤ の変態です。
カキ は ここでは 「区分・区画」 を意味します。

 この生え画が 須我神社 ではないかと考えています。


■その栄え (そのやゑ)
この ヤヱ は ハヱ(栄え)ヤブ(藪)ヤヲ(八百) などの変態で、「繁栄・繁茂」 の意です。
“その栄え” には、「八重垣 (=モノノベの主である自分) が守る国家の繁栄」 と、
「自分が造った産屋の繁栄」、つまり 「我家の子孫の繁栄」 の2つをかけます。


堅磐 (かきわ)
トキワ(常磐)トコシエ(常しえ)トワ(永久) などの換言で、
「不変であるさま・限りないさま」 をいいます。

 

【概意】
和の道を以て民を和し調える。
まだ宮の成らぬ間にイナタ姫は孕んだゆえ、その歌に

 八雲直つ イヅモ八重垣 妻籠めに 生え画造る その栄え堅磐

 汚穢隈を直した 貴日に仕える汚穢垣は 身籠る妻を籠めるため
 産屋を造る その栄え (国家と我が子孫の繁栄) に限りはなし



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 このうたお あねにささけて やくもうち ことのかなてお
 さつかりて うたにあわせる いなたひめ
 ついにくしたえ あらはれて やゑかきうちの ことうたそ

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 この歌を 姉に捧げて 八雲打ち 琴の奏でを
 授かりて 歌に合わせる イナタ姫
 ついに貴妙 現れて 八重垣大人の 別歌ぞ

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■姉 (あね)
ソサノヲの姉の ヒルコ(=ワカ姫) です。


八雲打ち (やくもうち)

奏で (かなで)
「回り/回し・往き来・動き・波」 などが原義で、ここでは 「曲・旋律・演奏」 などの意です。


■貴妙 (くしたえ)
クシ(▽貴)タエ(妙) で、タエ は タマ(霊) の変態です。
「貴い神霊」 を意味し、これは 貴霊 の換言です。


■現る (あらはる・あらわる)
「顕現する・降臨する・人として世に生れる」 ということです。


■八重垣大人 (やゑがきうち)
ヤヱガキ は 「国家を汚穢から守る垣」 という意で、モノノベ の別名。 ▶大人
よって 「モノノベの主」 を意味し、オオモノヌシ の古名です。
(“オオモノヌシ” という職名は まだこの時点においては存在しません)

 これはモノノベの主であるソサノヲの、代嗣の誕生を意味します。
 世に人として生れた “貴妙” が、後に初代のオオモノヌシとなるのです。


■別歌 (ことうた)
“コト” はうまい当て字がないのですが、「分け・分娩・出生」 などを意味します。
ですから 「生みの歌」 という意です。コトウタ(琴歌) に語呂合せしています。

 

【概意】
この歌を姉ヒルコに捧げれば、
八雲打ちの琴の曲を授かり、歌に合わせるイナタ姫。
ついに貴い神霊が誕生すれば、 “八重垣大人の別歌” ぞ。



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 うむこのいみな くしきねは ことにやさしく をさむれは
 なかれおくめる もろかなも やしましのみの おほなむち

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 生む子の斎名 クシキネは ことにやさしく 治むれば
 流れを汲める 諸が名も ヤシマシの身の オホナムチ

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■クシキネ
ソサノヲの代嗣子 “オホナムチ” の 斎名 です。
クシ は クシタエ(貴妙) に由来するのでしょう。キネ は 斎名の ノリ(乗り・和り) です。

 クシキネは ソサノヲの第5子の三男ですが、ソサノヲが罪を許され、
 臣の身分に復帰してからの最初の子で、臣としての格式上の長男といえます。
 それ以前の子は下民の子の扱いのようです。


■ことに (異に・別に・殊に)
「とりわけ・格別に・並外れて・特に」 などの意です。 ▶こと(異・別・殊)
これも コトウタ の コト(別/琴) にかけています。


■やさし (優し・▽和さし)
ヤス(▽和す)シ(=如し) で、「やわす如し・やわらか」 が原義です。 ▶やわす
非常に広い意味を持ち、また具体的な行動が示されていないため、ここでの意味を推測
するのは極めて困難ですが、後段の記事から察するに、民を飢えさせないよう食料の
不足に備えたり、害虫の駆除を自ら行ったり、また病人を癒したりと、民を我が子のように
心配して細々と足らし助けたことを、“やさし” と表現しているのではないかと考えてます。


■諸が名 (もろがな)
「諸人が呼ぶ名」 の意で、「慣れ名(なれな)・通り名・通称」 をいいます。


■ヤシマシの身 (やしましのみ)
ヤシマシ は ヤス(▽和す)+マス(▽纏す) の名詞形で、
「やさしく纏るさま」 をいいます。マス(▽纏す) は マスヒト の マス と同じです。
記紀には 八島士奴美神・八嶋篠・八島野命 などと記されます。


■オホナムチ
オホ(▽合・▽和)+ナム(嘗む)+チ(方) で、
これもやはり 「やわし治める方」 という意味を表した名と思います。
記紀には 大己貴命・大穴牟遅神・大名持神・大汝命 などと記されます。

 オホ は オフ(合ふ和ふ) の名詞形、ナム(嘗む) は 纏る と同義。
 チ(方) は カタ(方) と同じ。

 

【概意】
生む子の斎名クシキネは、ことに優しく治めれば、
その流れを汲む通り名も、"ヤシマシの身” の “オホナムチ"。



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 つきはおおとし くらむすひ つきはかつらき ひことぬし
 つきはすせりめ ゐをみめそ

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 次はオオトシ クラムスビ 次はカツラギ ヒコトヌシ
 次はスセリ姫 五男三女ぞ

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■オオトシクラムスビ
ソサノヲとイナタ姫の4男です。この人はこの名のゆえに、豊穣神と混同されています。
ホツマにも目立った事績は記述されていませんが、カマド尊オキツヒコ〈13アヤ出〉の父です。
また古事記の記述を信じれば ヤマクイ〈24アヤ出〉の父でもあります。

 大歳神社 (おおとしじんじゃ)
 大和国高市郡。奈良県橿原市石川町宮ノ本332。
 現在の祭神:大歳神、大山咋命


■カツラギヒコトヌシ ■カツラギのヒトコトヌシ
ソサノヲとイナタ姫の5男で、カツラギのヒトコトヌシ とも呼ばれます。
この人も これといった事績は記述されていませんが、その名からも判る通り、
早い時期から 葛城 を領していたようです。しかしその経緯についての説明はありません。
カツテ尊〈10アヤ出〉の父です。

 葛城一言主神社 (かつらぎひとことぬしじんじゃ)
 大和国葛上郡。奈良県御所市森脇432。 
 現在の祭神:葛城一言主大神


■スセリ姫 (すせりめ)
スサノヲとイナダ姫の3女です。名前以外の記はありません。

 大名持神社 (おおなもちじんじゃ)
 大和国吉野郡。奈良県吉野郡吉野町河原屋86。 
 現在の祭神:大名持御魂神、須勢理比羊命、少彦名命


■五男三女 (ゐをみめ)
生れた順に列挙しますと、
1.オオヤヒコ 2.オオヤ姫 3.ツマツ姫 4.コトヤソ
5.オホナムチ 6.オオトシ 7.ヒコトヌシ 8.スセリ姫

1〜4はソサノヲの下民時代の子、5〜8は臣に復帰して以降の子です。
下民時代の子については名前しか紹介されず、扱いに大きな差があります。

 ソサノヲ┐┌(1)オオヤヒコ
     ├┼(2)オオヤヒメ
 イナタ姫┘├(3)ツマツ姫
      ├(4)コトヤソ
      ├(5)オホナムチ
      ├(6)カツラギヒコトヌシ
      ├(7)オオトシクラムスビ
      └(8)スセリ姫
ちなみに5男3女という構成は、アマテルの子の構成と同じです。
1.ホヒ 2.タケコ姫 3.タキコ姫 4.タナコ姫
5.アマツヒコネ 6.イキツヒコネ 7.クマノクスヒ 8.オシホミミ

 

【概意】
次はオオトシクラムスビ。次はカツラギヒコトヌシ。次はスセリ姫。
5男3女ぞ。



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 きみくしきねお ものぬしに たけこおつまと なしてうむ
 あにはくしひこ めはたかこ おとはすてしの たかひこね

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 君 クシキネを モノヌシに タケコを妻と なして生む
 兄はクシヒコ 妹はタカコ 弟はステシノ タカヒコネ

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■モノヌシ ■オオモノヌシ
「モノノベの主・公務員の主」 の意で、八重垣大人 の新名です。 ▶モノノベ
オオモノヌシ は 「中央政府のモノヌシ」 をいいますが、この時代には政府は1つしかないので、
モノヌシ=オオモノヌシ です。

 この官職はソサノヲが賜った 八重垣機 と基本的に同じですが、アマテルは
 これを “オオモノヌシ” と名を変え、きっちり制度化して行政システムに組み入れます。
 ゆえに 初代オオモノヌシ は オホナムチ とされ、以降はその長男により世襲されます。

 以後オホナムチは イヅモの国 を受け継いで知行すると同時に、
 その身は都の中央政府に置いて、オオモノヌシとして国家の政務を司ることになります。


タケコ

■クシヒコ
オホナムチとタケコの長男です。クシヒコ は 斎名 です。


■タカコ
オホナムチとタケコの長女です。タカ姫とも呼ばれます。
(“タカコ” は斎名っぽい名ですが、そうではないと思います)


■ステシノタカヒコネ
オホナムチとタケコの2男です。順番は最後に紹介されていますが、タカコの兄です。
アチスキタカヒコネ とも呼ばれ、記紀は 阿遅鉏高日子根神/味耜高彦根命 などと記します。

 

【概意】
君はクシキネをモノヌシとなし、タケコを妻として生む
兄はクシヒコ、妹はタカコ、弟はステシノタカヒコネ。

 
  ソサノヲ┐      
      ├オホナムチ┐┌1.クシヒコ
  イナタ姫┘     ││
            ├┼2.タカヒコネ
  アマテル┐     ││
      ├─タケコ─┘└3.タカコ
  ハヤコ─┘

 

本日は以上です。それではまた!

 

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