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徹底解説ほつまつたえ講座 改訂版第100回 [2023.12.24]

第十八巻 オノコロと呪ふの文 (3)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 おのころとまじなふのあや (その3)
 オノコロと呪ふの文 https://gejirin.com/hotuma18.html
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 ときにみまこの もうさくは
 みをやのめくる ほおこほお いまおのころと なまるかや
 かみのこたえは

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 時に御孫の 申さくは
 「ミヲヤの巡る ホオコホを 今オノコロと 訛るかや」
 神の答えは

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■御孫 (みまご)
陽陰御孫 の簡略で、ニニキネを指します。


■ホオコホ
アメミヲヤが ウツロヰを馬、シナトを轡、光を鞭として
地球を 乗り巡る/和り恵る 時の音をいいます。

 ウンの手の ウツロヰを馬 イニの手の シナトは轡
 光 鞭 オ手に地球 のりめぐる 音は “
ホオコホ” 〈ホ18ー2〉

 

【概意】
時に御孫の申すには、
「ミヲヤが地球を巡幸した時の “ホオコホ” という音が、今 “オノコロ” に訛るかや?」
神の答えは、

 

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 ほおこほは ましるおとなり よくきけは くるまはきいん
 なるかみは ほおろほおろそ こえのおは こわにおさまる
 をのをして のかせにのれる くつはみの おとはこおこお

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 ホオコホは 交じる音なり よく聴けば くるまは “キイン”
 鳴神は “ホオロホオロ” ぞ 声の ‘オ’ は 堅地に収まる
 ‘ヲ’ の押手 野風に乗れる 轡の 音は “コオコオ”

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くるま (車)
「移動用の乗り物・運送手段」 をいいます。この場合は
アメミヲヤが地球を巡幸する時に移動手段として用いた 「馬」 です。

 ウンの手の ウツロヰを イニの手の シナトは轡 光 鞭 〈ホ18-2〉


■キイン
これは今に言う “ヒヒーン” で、「馬のいななき」 の擬音と考えます。


■鳴神 (なるかみ)
ナルカミ(鳴神)は 「ゴロゴロ鳴る神・雷」 の意です。
ナルカミは 空を支配するウツロヰが引き起こします。


■ホオロホオロ
雷鳴の擬音で、今風に言えば “ゴロゴロ” です。


■堅地に収まる ‘ヲ’ (こわにおさまるを)
コワ(▽堅地)は  「人の住む陸地・国土」 を意味します。
“収まる” は 「その中にある」 の意で、ヲ(央・皇)は 「中心・君」 を表します。
ですから 「国土の中にある君」 という意となります。


轡 (くつばみ)
アメミヲヤは風を支配するシナトを轡として 地球を巡幸しました。

 ウンの手の ウツロヰを馬 イニの手の シナトは 光 鞭 〈ホ18-2〉


■コオコオ
“野風に乗れる轡” とありますので、「轡が風を切る音」 でしょうか。
とすれば今風には “ゴオゴオ” かもしれません。

 

【概意】
ホオコホは交じる音なり。
よく聴けば 駆る馬は “キイン”、鳴神は “ホオロホオロ” ぞ 
オノコロの ‘オ’ の音は、堅地(=国土)の中にあるヲ(央・皇・君)を表す。
また野風と交わる轡の音は “コオコオ”。


 “ホオコホ” は、馬として用いたウツロヰの雷鳴 “ホオロホオロ” と、
 御者として用いたシナトの轡が風を切る音 “コオコオ” が 混合した音、
 ということのようです。

 

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 ふむあとの のにひとうみて のるはのて ねわによろこふ
 ねわはこて ひとなるみちは とおもちひ そのもとはろて
 おのころの よつはわにあひ くにをさむ
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 踏む跡の 野に人生みて 和るはノ手 練地に喜ぶ
 練地はコ手 人成る道は ‘ト’ を用ひ その基はロ手
 オ・ノ・コ・ロの 四つは地に合ひ 国治む
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■踏む跡の野 (ふむあとのの)
溶岩が冷えて堅地が生まれた後に、馬(ウツロヰ)の蹄の踏んだ跡が “野良と道” となります。

 泥塊煮え 煮上がる山ぞ ノ手結び 野風に乾く 堅埴に 蹄の跡は 野良と道 〈ホ18ー2〉


■和るはノ手 (のるはのて)
オノコロの 「ノのオシテは ノル(▽和る)の意を表す」 ということです。
ノル(▽和る)は ノリメグル(和り恵る) のそれです。


■練地はコ手 (ねわはこて)
ネワ(▽練地)は 「農作物の耕作に適した肥えた土地」 をいいます。
したがってオノコロの ‘コ’ は 「肥やす・耕す」 の意を表します。

 ★練地・粘地 (ねわ)
 ネワ+ワ(地) の短縮で、ネワは ネユ(粘ゆ)の名詞形。ネユは ネル(練る・粘る)の変態。
 「練れた土地・熟れた土地・肥えた土地」 をいいます。


■人成る道 (ひとなるみち)
「人として一人前となる道/方法」 です。


■ト (▽調)
‘ト’ は 「ととのえ・調和」 の意を表します。


■ロ手 (ろて)
‘ロ’ は不明ですが、ト(調)の道は、マト(▽和)道ヤマト(和)の道 とも呼ばれており、
「和合・調和」 を意味すると考えられるため、仮に “まろやか” のマロ(円) を当てておきます。
なお ‘ロ’ のオシテは、‘ト’ の上下を逆にした形です。


■オ・ノ・コ・ロの四つ (おのころのよつ)
日本語の48音は アワの神 とも呼ばれ それぞれが神の名ですから、
ここでは 「オ・ノ・コ・ロ の4神」 と考えていいと思います。
4つのヲシテを分解して上記のように解釈すれば、おおよそ
「中心(皇・君)が 養い肥やして調和する」 という意となります。

 

【概意】
<ウツロヰの蹄の> 踏む跡の野に人を生み、養うはノ(和)のオシテ。 
人は練地に喜び、練は コ(肥)のオシテ。
人と成る道はト(調)を用い、その基はロのオシテ。
オ・ノ・コ・ロ の4神は地に合い、国家を治める。

 

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 わさとこのまて おのころの もしもうこかは
 よなおりお おのこおのこと いのるへし
 わらんへいねて おそわれは おのこおのこと たなこなて

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 わざと好まで オノコロの もしも動かば
 よなおりを “オノコオノコ” と 祈るべし
 童 寝ねて おそわれば “オノコオノコ” と 掌 撫で

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■オノコロ ■動く (うごく)
オノコロは ここでは 「国土」 を意味します。
ウゴク(動く) は 「往き来する・揺れる・震える・めぐる」 などが原義で、
“オノコロの動く” とは 「地震」 をいいます。


■よなおり (▽揺直り)
ヨ(▽揺)は ヨル(揺る)の名詞形で、ここでは 「地震の揺れ」 をいいます。
ですからヨナオリは 「揺れの直り/収まり」 を意味します。
辞書には “世直し” という言葉が載り、非常に興味深い説明があります。

 よなおし【世直し】 (広辞苑)
 ・地震や雷鳴の時に唱える呪文。


■オノコオノコ
オ・ノ・コ・ロ の4神の “養い肥やし調和する力” を招く 「呪文」 なのでしょう。


おそわる (魘わる)
オソフ(襲ふ)の受動形です。ここでは 「悪夢に襲われる」 ことをいい、
その場合は特に “魘わる” と表記するようです。


■掌 (たなこ)
タナカ(手中)の意で、「手の内側・手のひら」 をいいます。
タナコは辞書にはありませんが、タナゴコロ(掌)と同じだと思います。

 

【概意】
わざと好みもせず、国土が揺れ動いたならば、
揺れの収まりを “オノコオノコ” と祈るべし。
童が寝て夢におそわれたなら “オノコオノコ” と手のひらを撫でや。

 

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 はたたかみなり やまさらは
 ほおこほさわそ ひなおりと いのりととむる をのこりと
 わらへのひたひ かにおせは おそわれぬのり おのころあやそ

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 ハタタ神 鳴り 止まざらば
 “ホオコホ騒ぞ 日直り” と祈り “留むるヲノコリ” と
 童の額 上に押せば おそわれぬ法 オノコロ謂ぞ

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  ここは五七調が少々いびつなため、言葉の区切りを調整しています。

ハタタ神 (はたたがみ)

■ホオコホ騒ぞ (ほおこほさわぞ)
“ホオコホ” は この場合は、雷の 「ゴロゴロ」 という擬音です。
“騒ぞ” は 「騒がしいぞ・うるさいぞ」 という意です。


■日直り (ひなおり)
ヒ(日)は ここでは ヒヨリ(日和) の意で、「空模様・天候」 をいいます。
ですから 「天候の直り/治り」 という意です。“日直る” という動詞形が辞書に載ります。


■ヲノコリ (▽陽の転り)
“ヲ(陽) の コリ(▽転り)” で、「陽気の循環・陽気の恵み」 の意と考えます。
ヲメグリ(陽めぐり) などとも呼ばれ、「陰/穢を祓う陽エネルギーの循環」 をいいます。


■上に押す (かにおす)
カ(▽上)は  カミ(上)カウ(高)カフ(甲) などの略です。


謂 (あや)

 

【概意】
ハタタ神が鳴り止まなかったら、
「ゴロゴロうるさいぞ、日直り」 と祈り、
「留める陽の恵み」 と童の額を上に押せば おそわれぬ法。
これもオノコロのいわれぞ。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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