ムラクモツルギ・ハハムラクモノツルギ

→ 語義
  

叢雲剣 (放曇剣)。羽羽叢雲剣 (蝕霊放曇剣)。
ソサノヲ
八岐の蛇を斬った剣。「蝕霊の汚穢隈を祓った剣」の意。
この剣は三種宝の一の「八重垣の剣」とは別物である。

ヤマトタケ蝦夷討ちにヤマト姫がこれを与えている。ヤマトタケが裾野で火攻めに遭ったとき、向かい火を放ち、剣で燃え草を薙ぎ散らして敵を焼き滅ぼしているところから、クサナギの剣とも呼ばれるようになったとあるが、クサナギは「腐薙ぎ」で、もともと「ムラクモ(放隈)」と同義ではある。
  

■この剣は、おそらくソサノヲオホナムチクシヒココモリカンタチフキネ とオオモノヌシに伝えられたものと思う。フキネの臨終に「生れませる御子(タケヒト)の祝いに捧げよ」とムラクモの剣クシミカタマに渡している。その後は宮中に保管されたが、宗神天皇あたりが寝食共にするのは恐れ多いとか言って、トヨスキ姫かヤマト姫が三種と一緒に携え、落ち着き場所を捜すようになったのではないだろうか。
ヤマトタケが燃え草を薙ぎ散らして敵を焼き滅ぼしたクサナギの剣だが、 確かにヤマトタケはハハムラクモの剣をこの時に持参してはいるものの、草を薙いだ剣がそれであったかどうかは明記されていない。普通に考えれば尊宝であるムラクモ剣を草を薙ぐのに使うとは考えにくいが、神剣ならではの効果を期待したのかも知れない。しかもムラクモ剣は自らの過去世、ソサノヲのものである。さらに推せば、ヤマトタケはムラクモ剣との再会をきっかけに自分がソサノヲの生まれ変わりであることを悟ったのかもしれない。
  

静岡県静岡市清水区草薙、草薙 (クサナギ) 神社
愛知県名古屋市熱田区神宮、熱田 (アツタ) 神宮
大阪市鶴見区放出東3丁目、阿遅速雄 (アジハヤオ) 神社
  

八岐頭の 蛇 来て  八槽の酒を 飲み酔いて 眠るを 寸に斬る 蝕霊が穢避きに 剣あり  蝕霊放隈の 名にし負ふ』9文
ひたるの時に これを継ぐ 到れば 遺し言 "このムラクモは 生れませる 御子の祝ひに 捧げよ"』27文
『昔 出雲の 国 開く ムラクモ剣 これなるぞ 謹み受けて 仇 平けよ な怠りそ" と 授けます』39文
『風 吹き変り 西煙 仇に覆えば 草を薙ぐ 燃え草飛びて 仇軍 焼き滅ぼせば 焼つ野や 剣の名をも 草薙と』39文
ヤマトタケ あらぶる神の 荒るを聞き  解き置き 軽んじて 到る神方に 和幣無く』
40文
ヤマトタケ 叔母より賜ふ ムラクモを が家に置き 伊吹山
40文
オオタンヤワケ 冠 御衣  捧げて 臣十人』40文

  

  

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