アタツクシネ

→ 語義
  

阿田都久志尼命。
斎名:タタヒコ。アタツクシネは幼名という。クシミカタマオオタの娘ミラ姫の子。
タケヒトが大和を制圧した後に、県主にされた*。 
神武
の命によりオオミワの社を造り、即位前年の十月二一日にオオミワ神名備を祭っている。 
カヌナカワミミ
(綏靖天皇) オオモノヌシ (剣臣)
カヌナカワミミよりオオミワの姓を賜る。 
アウヱモロ
の娘ヌナタケ姫を娶り、イイカツヌナソ姫を生む。 
綏靖天皇の典侍アダオリ姫の祖父。
  

* クシネがどこの県主にされたのか、ホツマツタヱには記載がない。記載がないのは、"記載する必要が無いほど当り前な場所" ということで、"橿原宮が所在する県" ということなのだと思われる。橿原市久米町に 久米御縣神社 があって、祭神の一人に「天櫛根命」という人がいる。これは「アタツクシネ」を指すと思われるので、クシネは久米県の県主だったと考えたい。久米県についてはこの神社名しか残っていないので、当時の地理などは何もわからないが、その範囲に三輪山を含んでいたとは考えられる。大和国の県は時代によって相当変化していると思われるが、延喜式には久米御縣神社は高市郡、大神神社は城(しき)上郡とある。一方、東征の行賞で、ミチヲミが「クメの所」を賜っているが、これは久米県を賜ったのではなく、橿原宮に隣接する土地を宅地として賜ったものと考える。

  

             ┌オオタ────────────────ミラ姫
             │                    ┃
             ├ミシマタマクシ姫 ┌クシミカタマ──┐┃
             │     ┃────┼クシナシ    │┃
             ├────ツミハ   └タタラヰソスズ姫│┃─アタツクシネ
クシヒココモリ     │                   │┃
      ┃──────┴カンタチ               │┃……ミスズヨリ姫
スヱツミイクタマヨリ姫   ┃────フキネ    (養子)┌──┘┃
               ┃     ┃        ↓   ┃
      フナツ─────フトミミ   ┃────────クシミカタマ
                     ┃
              サシクニ──ワカメ
*ミスズヨリ姫をアタツクシネと兄弟としている部分は推定。
  
  
                  ??
ツミハクシミカタマ┐       ┃───────??─────アタオリ姫
          ├┬────アタツクシネ         (カヌナカワミミの典侍)
オオタミラ姫───┘:        ┃────┬イイカツ
           │ アウヱモロヌナタケ姫 │
           :             └ヌナソ姫
           └ミスズヨリ姫         ┃───┬オオヤマトヒコスキトモ
               ┃──────────タマテ  │
カンヤマトイハワレヒコカヌナカワミミ            └クシトモセ
*ミスズヨリ姫をアタツクシネと兄弟としている部分は推定。
  
  
■オオモノヌシ コトシロヌシ

ソサノヲオホナムチクシヒコ*+コモリカンタチフキネ
                       ┃
                       ┗ツミハ━━━━┓
                                                           ┃
       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
      ┃
       ┗クシミカタマアダツクシネタケイイカツ━タケミカジリ┓
                                                                ┃
         ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
         ┃
         ┗ミケヌシオミケヌシ━タケイイカタス━オオタタネコ┓
                                                             ┃
         ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
         ┃
         ┗ミケモチオオカモツミ
                   ┃  
                   ┣オオトモヌシ
             ┃
                   ┗タタヒコ
  
  

福井県三方郡美浜町木野、木野 (キノ) 神社
新潟県佐渡市長江、熱串彦 (アツクシヒコ) 神社
奈良県橿原市久米町、久米御縣 (クメミアガタ) 神社
  

★『書紀』事代主神の孫の鴨王(かものきみ)。 
★『旧事』天日方奇日方命(あめのひかたくしひかたのみこと)。この命は、日向賀牟度美良姫(ひむかのかむとみらひめ)を娶って、一男一女を生まれました。■父のクシミカタマも同じ名前になっており、完全に二人を混同している。
  

オオモノヌシは タガ殿に 根の国 治め オオタをば 日向代殿 副モノと』28文
『なして娘の ミラ姫を 娶りて生む子 タタヒコが アタツクシネは 幼名ぞ』28文
笑みて とす コトシロヌシを ヱミス神 孫のクシネを 県主 社 造らせ 十月二十日 祭る大三輪 神南備ぞ』29文
鏡の臣は ウサマロと アタツクシネは モノヌシと 御子の両羽ぞ 国政り 神饌供え申す ヲモチ君 共に助けよ31文
代々 スヘラギの 護りとて 九月十一日 祭らしむ アダツクシネに オオミワの 姓 賜わる』31文
アメタネコ クシネウサマロ 若宮に 送り議れば タギシ御子 一人政を 執らんとす』31文
ミスズヨリ姫 内つ宮 磯城クロハヤが カワマタ姫 大典侍后 アダが孫 アダオリ姫は 典侍后31文
オオナムチ 殊 成す時に ミモロ神 "我あればこそ おおよその 殊 成さしむる" 先神霊 また業霊は ワニヒコぞ』
31文
『故 オオナムチ 嗣となす 三度回りて 殊 成せば 一人別れて 三人目の ワニヒコまでが ミワの神"』
31文
『代々皇の 守りとて 九月十一日 祭らしむ アタツクシネに オオミワの 姓 賜わる ワニヒコは 百九十二歳ぞ』31文
ヌナソ姫立つ 内つ宮 これはクシネが オフエモロ ヌナタケ娶り イイカツと ヌナソ生むなり』31文

  

  

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