たる  タル  taru

  

【足る・(治る・養る・連る)】【断定の助動詞「たり」】
A: 合う/合わす。釣合う。収(治)まる/収(治)める。調う/調える。補給する。在る/現す。
  匹敵する/させる。適う。〜している。〜である。

『かれたるいねの わかかえる わかのうたより わかのくに』ホ1
『つきはおくれて みそたらす まことみそひそ』ホ1
『めかみには なりなりたらぬ めもとあり』ホ3
『みとせいつくに たらされと いわくすふねに のせすつる』ホ3
『をゑくまにすつ ひるこひめ いまいつくしに た りいたりホ3
『さきにすてたる ひるこひめ ふたたひめされ』ホ5
『かたまろか いたれははたれ いろかえて さきみたれたる きくみち の』ホ8
『さすらても はたれもはなけ み つたらす かかんなすかも てたてつき』ホ8
『あらかねの つちにおちたる さすらをの』ホ9
『うちをさめたる おもむきお あめにつくれは たかまには ゆつうち ならし』ホ9
『いさおしは もろにすきたり きみまもれ かみあまかつと なおたま ふ』ホ12
『かすかまろ しからすとめて たらさらは うえはほとこし うけんか や』ホ13
『いくしまと たる しまよもの みかきもり』ホ14
『いまわかみ いきすひととき よそしほと たらぬやまふの かなしさ や』ホ16
『いきすたらぬは ひめみこよ これとのきみの とこかたり』ホ16
『かねきくうえの をんたけと うまれあひたる みめくみと』ホ16
『たのおして みひかりまるの うちにゐる たりたすくのり あめとち ち』ホ17
『をやかこお はらめはち たる ちちははは けにたらちねよ』ホ17
『むたひたたかひ なしたれと まさくることは いかならん』ホ17
『のりのりめせは をはしりか わさおうけたる たかひこね』ホ192
『われもこと たてんとよもお めくるうち よきのおゑたりホ21
『もとちからゑぬ いねのみは はみてもこえす やふやくに かてたらさ るそ』ホ23
『なかにひとりは ひいてたり やひはするとく みつおわる』ホ23
『またたらすわれ ふたかみの たまふさかほこ さいわひに』ホ23
『つらつらと おもせはたみの ふゆるほと たはまさぬゆえ かてたらす』ホ24
『ひとゑたにたり ひゑのやま そのいけみつか たのそろに』ホ24
『ときにきみ つくしはかての たらさるか てれはゆきみて たおまさ ん』ホ25
『ゆえはおきなに けゐおゑて めくりひらける ちおゑたりホ27
『あるしとふ さくすすはたち のひいかん かれにうせたり これもあ め』ホ28
『たかくらしたか ゆめさめて くらおひらけは そこいたに たちたるつ るき』ホ29
『たみわさはもと たのむとこ かうちさやまは みつたらす わさおこ たれは』ホ34
『なほふつき はひこもつみの このつつき た るねかかはゐ つきひめお』ホ35
『みちうしみけの かんめくみ よきみこゑたりホ36
『にたるすかたの おしやまに とつくははこも をんめくみ』ホ37
『よきいてお あらはつれんと みなもふす みののおとひこ ひいてたりホ38
『たけひとは きみたるいとの あるゆえに あめよりつつく かみのみこ』ホ39
『これなんち あれかたかみの つかひなり あにもとむるに たらんや と』ホ40
『むかしくまそか そむきしも またあけまきに むけえたりホ40
『ひめのもすそに つきをけの しみたるおみて やまとたけ みしかう たして』ホ40
『ひとたひあひて よくにたる かれはめくろと そのさとお なつけた まわる』ホ40
『ところたちはな ゐもかしら しむのふしゑは たるむつみ』ミ9
『やよゑなかすえ かけらうや めつたりおさむ たもとかめ』ミ9
『ふたかみも くにつちよろの みちうみて き みたるかみお うまんとて』フ 序
『へのそのは たまにうるほす まつりこと かてたるそのは ゆくもや すらか』フ へその

 
変態:「なる」「ある」「たふ(食ぶ)」「たむ(溜む/矯む)」「つる(連る)」「つむ(詰む)」 「とる(執る)」「とむ(留む)」 「とふ(問う・訪う)
派生語:「たら(父母)」「あたる(当る)」 「はたる(徴る)」「あた たら(充足)」「たるみ(治見)」「た たる(祟る)

 
 

【(断る・遮る・出る・弛る)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

変態:「たふ(遮ふ)」「た ゆ(絶ゆ)」「ちる(散る)」「つ む(摘む)」「てる(出る)」「と ふ(飛ぶ)
派生語:はたれくたり(件)」「ひ たり(左)」「かたる(語る)」「な たる(傾る)

 
 

【(回る・廻る)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。動く。

変態:「たむ(回む)」「た ふ(回ふ・廻ふ)
派生語:「はたらく(働く)

 
 

【足る・(立る・養る・達る・至る)】
D: 正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・過ぎる・余る・至る」

『またたたは はるのそらねお はにあみて いたくにた れは たたといふ』ホ16
『これてひとみお いたかんと まろめてわたり ふたたたるホ17
『やまとひめ ことしももやつ よろこひて よはひいたれは われたりぬ』ホ38

 
変態:「たゆ(耐ゆ)」「つる(吊 る)」「つむ(積む)」「て る(照る)」「とふ(跳ぶ)」「と む(富む)
派生語:「いたる(至る)」「ひ たる(秀達る)」「ひたり(左)」「ほ たる(蛍)」「たたら(踏鞴)

  
 

【垂る・(弛る・怠る・惰る)】
E: 負の方向に離れる/離す。「下る・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」

『いくしまと たるしまよ もの みかきもり』ホ14
『みそひふみ みかたり ゆるむ たらむとて ははのつつしみ』ホ16
『つみはらわんと あらためて かみおうやまひ をしえたれホ34
『きかまろは たるはお ふきて ゐかすれは』ミ8

 
類語:「たふ(賜ぶ)」「ち ふ(禿ぶ)」「つふ(潰ぶ)」「つ ゆ(潰ゆ)」「つむ(詰む)
派生語:「たれ(垂)」「くたる(下る)」 「なたる(傾る・雪崩る)」「お こたる(怠る)」「たるしま(足島・垂締)」「た らむ(弛らむ)」「したたる(滴る)」「ち たる(沈垂る)」「うなたる(項垂る)」「す たる(廃る)」「さみたれ(五月雨)

 
 

【足・(治・養)】
足らし。治め。調え。治者。

『むよのつき お もたるのかみ かしこねと やもおめくりて たみおたす』ホ2

 
「たる(足る・治る・養る)」の名詞化。

変態:「たら(足)」「た り(足り)
類語:「たらし(足らし)」「たらち(足らち)」 「たし(足し・治し)」

  

10/02/10

 

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